さっそく買ってきた旅行本を広げる

「すごい!すごーい!」
美晴は大はしゃぎだ。

家族たちも興味深かそうに読んでいる。

島から出られないので観光旅行本なんて興味ないし、無意味だ。

「どうして島から出られないのかな…?」
美晴は
『知ってるだろ?アヤカシは女の子攫ったり、人を襲うから人間とアヤカシに掟を作ったんだ』

「なんか…悪い事してないのに犯罪者みたい」

『…そう考えちゃうね。オレとしては自由にさせたいんだけどね。色々問題もある』

「どんな?」

『島の存在やアヤカシの存在がバレたりかな。アヤカシは街に行けるけど、掟や島の存在があるから大人しいだけ。アヤカシにとって長女だけって制限はあれど、霊力がある人間が集まる島は探しやすいからね』

「なんで長女だけ?霊力もたしか強いし」

『制限しないと女の子全員いなくなっちゃったら、人間がが困るだろ?』

「たしかに…」


『島の人間はある意味、生贄みたいなもんか…』