「あ、この煮物味付けがしみてて美味しい」

「それ、西ノ島の特産品を使ったものなんです。お茶のおかわりどうぞ」

紅葉は榛名のお茶を入れ、自分にもお茶を入れた。

『紅葉〜お茶じゃなくて一緒に酒呑もうよ〜』

「私はまだ18なんだから、飲めないわよ」

『え〜…』

「私と同じ…」

「え?同じ年なら敬語使わなくていいですか?かたっ苦しくて…」


「うん。改めて仲良くしてね、…も、紅葉ちゃん」

「こちらこそ、榛名ちゃん」

ウンウンと楽しそうに頷く風雅と、嫉妬しまくる十六夜


「十六夜様とはどのように過ごしてたの?」

「生贄になってからは十六夜様の住む島で暮らしてて、霊力のない人が住む街の商業施設に連れて行ってくださったの。島では知らない物も沢山あって飽きなかったな」


「商業施設?島から出ちゃいけない掟なのに?」

「生贄で島から捨てられてたし島の掟は関係なかったかな。十六夜様の判断任せなんだけど、暇つぶしでもあるみたいだし、ね?」

『ああ。暇つぶしが榛名の役に立つとはな。デートにも行ったな』
榛名の頰にキスをする。甘々すぎて恥ずかしくなる程だ。


「商業施設か…」

『紅葉行きたい?』

「べ、別に!」

『オレの神子なんだしオレの許可があれば行けるよ』

「う…」

『風雅様、お願いしますって言ったら許しちゃうな〜』

「うぅ〜…ふ、風雅お願いしてあげるんだからね」

頭を抱えながら頼む紅葉。
そんな姿が面白すぎたので許可をした。

「やったー!」


『じゃあ、食べたらさっそく行こうか』

「え"っ?」