バタバタとした年末年始が終わると小太郎と静香の結婚式だ。
白虎神社で行われた。

そして紅葉と楓の卒業式。
式が終わると担任の教師とクラスメイトで囁かなパーティーをやった。
紅葉と相性の悪いクラスメイトは紅葉が天界に行くと聞き、泣いてくれた。
実は仲良くなれたのかもと思った。



翌日、紅葉と風雅は天界へ旅立つ。

「紅葉、忘れ物ない?」
「うん、大丈夫だよ!」
天界では食べなくても生きていけるそうだが、天界に行っても暫くは人間の体らしいので食べ物を沢山詰めたり、街で買ったものや家族からの誕生日プレゼントなど大切な物は持って行くことにした。

紅葉は風雅から贈ってもらった神子服を来て、中庭に出る。

「紅葉…達者でな…うぅっ…」
「パ…お父さん。迷惑ばっかかけてごめんなさい」「お前は悪くない。今では白虎の神子で番なんて白神家の誇りだぞ」


「神様たちに失礼にならないようにね。いつでも戻ってらっしゃい」
「お母さん…うん!」

「小太郎兄ちゃん、幸せにね!私のために色々我慢させてごめん」
「紅葉は楽しい家族だよ、いつまでもね。紅葉こそ幸せになりなよ」

「お前が白虎の嫁なんて明日、地球滅びそうだな」
「司兄ちゃん!…赤ちゃん産まれたら抱かせてね」
「おう」


「美晴も魁と上手くやりなよ」
「紅葉姉もね!」

「紅葉…なんだか大事な片割れがいなくなるようで寂しい…私はアヤカシ界に行くから会う機会が少なくなるけど氷空が島に自由に行っていいって言ってくれたの。街にも連れ行ってくれる約束もしたのよ」

「そっか。体、せっかく良くなったんだから大事にしてよね。体弱いのは私のせいだけどさ」

紅葉と楓は涙を流しながら抱きしめ合う。

猫たちは紅葉に懐いたパフェとパフェが大好きで離れたくないチョコを天界に連れて行くことになった。
チョコは楓が名付けたこともあり、紅葉はなんだか楓と一緒にいる気分になれた。

シロコたちは白神家で飼いつつ神社の看板猫や介護施設でふれあいの仕事をしてもらう。

子猫と離れるのを寂しそうにしているシロコに風雅は離れていても繋がれるように以心伝心…テレパシーの力を与え、お互いの様子をわかるようにしてくれた。


『白神家に住んで色々な事を知り、楽しい日々を過ごさせてもらった。引き続き、島を守る役目を果たそう。紅葉はたまに連れて帰って来るからサヨナラはなしでね☆』


泣いている紅葉の肩を引き寄せる。

『行こうか』


風雅は白虎の姿になり紅葉とパフェとチョコ、荷物を背中に乗せた。


先ほどまで泣いていた紅葉はモフモフ白虎を見た途端、涙は引っ込みテンション高くなった。

これには家族たちもドン引きだが「最後まで紅葉らしいな」と大笑いしながら見送った。



「また会おうね〜夏祭りに帰ってくる!りんご飴に焼きそばにそれから〜…」


紅葉と家族は笑顔で手を振った。
お互いの姿が見えなくなるまで。