数日後、司の奥さんのおめでたに感化されたようで静香に正式にプロポーズをした。
静香は泣いて喜び受け入れてくれ、更に数日後に白神家に訪れ、紅葉たちに挨拶に来てくれた。

来年、紅葉たちが卒業前に結婚式を行う予定で、静香の父親は退院後は直美の介護施設で暮らす。

静香は「白虎様がご興味を示していただいたそうで…最後に味わっていただけるのなら父も喜びます」と緊張しながら静香の家で製造した自家製の酒を風雅に差し出す。

店は残念ながら閉店を余儀なくされたため、酒の製造は出来なくなる。

紅葉に注いでもらい一口呑む。
静香が持ってきたのは作りたてと熟した日本酒。

『日本酒は寝かせた方が好きだけど作りたても新鮮で美味だね〜』
「ありがとうございます。秋は新米を使い、美味しく出来上がっております」

『決めた！白虎神社で振る舞う酒にしよう！寝かせたのも作りたても美味しいからね！』

軽いノリの風雅に一同は慌てる。

「私の父はもう製造ができません」
『父親に小太郎が教わればよくない？白神家次期当主として白虎神社の管理する者としての修行みたいな？あははっ☆』

白虎を祀る一族としては風雅の意見を無下に出来ず、小太郎は青い顔をした。


店は無くなっても酒は残る。
『名前は白虎酒にしちゃお〜』とテンションを上げた。
紋十郎たちも静香の店の酒は初めて呑むらしく気にいっていた。



静香が帰宅後、司の家にも静香の酒を持っていき、白虎神社で製造をすることを伝えると司は青ざめて頭を抱えていた。