氷空に診察してもらった限りでは気を失っただけで少ししたら起きるとのことだ。

「……あたしのせいだよね」
「絶対違うわよ」
直美が安心させるために美晴の手を包む。

「紋十郎さんはね、娘が可愛くて仕方ない人なのよ。紅葉と楓が生まれた時は天使が来た!白虎様に感謝せねば!って騒いでね。紅葉がアヤカシに酷い目に合った時は弱音吐いたり、楓が病気になった時は泣いていたわ。美晴が不登校になった時なんか暴れてたのよ」

直美は愛しそうに紋十郎を見つめる。

「紅葉が神子になって安心したはいいけど風雅様に嫉妬したり、楓を番にしたい人が現れ、更に美晴もね。だから娘を取られるショックが大きかっただけ。今日はお酒呑んだ影響もあるかもしれないわね」

直美は愛しそうに「馬鹿でしょ」と優しい顔で言った。


「明日、話してあげてくれる?美晴の気持ちもね」
「うん」


とりあえず解散となった。

「楓さん、お義父さんは僕が診てますからお休み下さい」
「ありがとう」

「美晴、兄様に任せて俺たちも休もうぜ」
「うん」

楓と氷空、美晴と魁 なんだかいい雰囲気だ。
紅葉はモヤモヤした。

『オレたちもね』
「うん、虎ちゃん一緒に寝てね」
『もちろん♪』

紅葉は自室のベッドにダイブすると「パパ…」と呟き風雅(小)を抱きしめて寝た。

『イチャイチャ予定だったけど仕方ないね。時間はたっぷりあるんだしいいか』
風雅も眠りについた。