「ん…」
目を覚ました紅葉。
しかし目には光が宿っておらず、まるで生気がなく虚ろな目をしていた。

『紅葉!…貴様、紅葉に何をした!!』
「おー怖いネェ…紅葉ィィ、俺を慰めてくれよォォ」

「…………はい」

紅葉は鵺を抱きしめた。

『紅葉…?アヤカシ嫌っていたのに…』

風雅の驚く姿が面白いのか鵺はニヤリと笑うと紅葉に命令をする

「紅葉ィィ…俺にキスしろォォ…濃厚なやつじゃねぇと許さねぇぜェ〜」

「………はい」
紅葉は鵺の命令通りに濃厚なキスをする

「さすが俺の紅葉はお利口だねィィ〜けひひっ」

『紅葉に何をした…!!』
風雅は怒りを隠さず攻撃をしかけようとする。


「おっとォ…紅葉ィ俺の盾になれェ」
紅葉は鵺を庇うように前に出て手を広げた。

『紅葉!やめろ!』

「白虎様よォ、紅葉の首輪はなんだかわかるか?これはなァ、アヤカシ界にいる科学者に金を注ぎ込んで作らせたんだ。人間を絶対服従させる代物だァ」

『………』

「昔は俺にも番がいたのよ…東ノ島から攫って来た女。あそこは青龍が捨てた島だからやりたい放題よォォ。だがあの女は島に帰りたいだの俺の言う事も聞けねンだ…数年後に偶然、紅葉の霊力と出会ってから魅了されちまった…だからよ…」

鵺はニヤリと笑う
「けひひっ。邪魔な番を殺しちまったァ〜仕方ないよなァ〜俺の言う事聞けない塵だからなぁ!」

『だから首輪を付けたのか』
風雅は怒りが止まらない。

「そうよォォ…女に人格なんていらないのよォォ。御主人様(あやかし)の言うことだけ聞いて生きていくんだ
!それが番…生贄だァ!けひひひっ♪」

鵺は紅葉を抱きしめると「別れの言葉言ってやんなァ」と怒っている風雅を笑うと紅葉は風雅を数秒無言で見つめた。


「あなたは………大嫌いでした。……サヨナラ」


風雅はショックを受け、鵺はその表情を見ると大笑い。