紅葉は水洗い場で手を洗い、口を注ぎ水を一口飲んでから戻ろうとした。

「あ…れ…?」 
全身が痺れたようにヘタッと座り込んでしまう。

「ふ…んぐっ!?」
「おっと…白虎は呼ばせねぇよ」

紅葉は口枷を付けられた。周りを見るといつの間にかアヤカシたちがいた。
そのアヤカシたちを知っている

(猿に蛇…ハイエナのアヤカシ…諦めてなかったのね)

「シャァ〜やっと捕まえた!」
「白虎に見つかる前に早く運べ!」


「んぐー!!」
「あ?どこに行くかって?アヤカシの世界だよ。そこに行けば白虎はこれないからなぁ」

紅葉は体が痺れながらも声を出したり抵抗しようとした。
「大人しくしてろや!後でたっぷり可愛がってやるからよ」
「!!」
腹パンを食らい気を失ってしまう紅葉。


「白虎の方は大丈夫だよな?」
「あの女たちを使いますよ」
アヤカシたちは紅葉を担ぎ、消えていった。


「にゃ〜〜〜」
パフェは風雅の命令で紅葉の様子をみており、すぐに走りだして風雅に報告。

風雅は報告を聞き、内心怒りを感じていたが平常心を装い『紅葉がお菓子貰いに突然、走って行ったんだって〜オレも追いかけるね〜』と風雅も外に飛び出した。

「まったく紅葉は食い意地は凄いんだから〜」
残された楓と氷空は風雅の様子に気づかなかった。






アヤカシたちは海の入り江にあるアヤカシの世界に繋がる洞窟に急いだ。
アヤカシたちも仮装をしており、子供たちや島の住人に気づかれないように仮装の道具を装っていた。



「あと少しだ!」


「なんだァ?面白いことしてんじゃねぇか〜混ぜろよな、けひひっ」


「お前は鵺!」
「ギャア!!」
猿のアヤカシたちは上位アヤカシの鵺に敵わず殺されてしまった。


「紅葉はもらった…いや、最初から俺の物だけどねェ…逃さないように首輪付けましょうネェ…ひひっ」