「きゃあ！風雅様すてき〜」

「白虎様ぁ！」

『うん、ありがとう〜(棒)』と雑に手を振る

「はーモテてようございましたな〜」
『あれ嫉妬？もうすぐオレは紅葉だけのモノになるんだよ〜。紅葉もモテモテでオレ、超嫉妬！』

紅葉はナマハゲのお面で視界が狭く気づいていないが、風雅は目線だけでチラッとすると仮装をしているアヤカシから注目を浴びている。
普段は他の島やアヤカシの世界にいるアヤカシもハロウィンに参加し、初めて紅葉を見て番にしたそうにしているが風雅がいるため「ぐぬぬ…」としていた。

そして人間の女性たち。
風雅の美しさに見惚れているだけならまだいい。
…だが中には紅葉を見下し嫉妬により憎むように睨めつけていた。
紅葉は何も言わないが楓や司から色々と嫌味を言われていたと心配の報告をしてきたのを知っている。

風雅は紅葉に気づかれないように冷たい目で睨みつけ威嚇をしていた。


「ママの介護施設行こうっと。ね〜パフェ♪モフモフ〜」
「にゃあ〜！(行く〜！)」



「楓！」
「紅葉！」
直美の働く介護施設に行くと楓と会った。
さすが双子というべきか。

「「トリック・オア・トリート！」」
紅葉と楓が声を揃え介護施設のお爺さんお婆さんたちにいうと「あらあら〜こわいわ〜」「こりゃ菓子やらんとのぅ」とノリが良く笑顔でお菓子をくれた。

「やったぁ！ここのお菓子毎年楽しみなのよね！」
「そうね。私も大好き！」

「ありがとよ、美晴ちゃんにもあげてくれる？直美さんから美晴ちゃんが神社のお手伝い頑張ってるって聞いたよ。学校も行けるといいねぇ」
「はい、ありがとうございます」

楓は美晴の分のお菓子を受け取った。

介護施設のお菓子は彼らがハロウィンのために一生懸命作ってくれた。
施設のお年寄りたちにとっては一年で一番の楽しみにしているのがハロウィンだ。
孫のような年頃の子供たちと話す機会があると楽しくて元気が貰えるらしい。
そんな彼らの作るお菓子は先人の知恵と愛が詰まっているからか凄く美味しい。