✱✱✱✱✱✱Side  楓&氷空  ✱✱✱✱✱✱✱

「トリック・オア・トリート!」
「ぎゃあ!お菓子をやるから悪戯だけはやめておくれよ〜!!」

お菓子を手渡される。

「ありがとうございます」
「楓ちゃん、アタシの名演技どうだった?」
「はい、とても脅かしがいがあります」
「ありがとよ」
子供たちにお菓子を配るために協力してくれた家のオバチャンから手作りの飴を貰い、スタンプカードにスタンプを押してもらった。

「可愛い飴ですね。あ・楓さんの方が可愛いですけど」
「ありがとう…この家、というかお店は飴屋でね。カボチャやオバケの飴を毎年作って協力してくださるのよ」
「へ〜…飴屋さんは子供に人気でしょうね」

楓と氷空は歩きながらスタンプカードと協力してくれる家リストを眺めた。

「このハロウィンイベントは意味があってね。まだ小さい子は親と来年小学生になる子たちには1人や友達とまわって学校に通えるよう練習とか、島の住人や店とか挨拶がてら顔や場所を覚えてもらう役割があるの。大人たちも困った時に助けてあげられるようにね」

もちろん島の幹部や有志(ボランティア)たち大人が子供たちを誘導したり見守っている。

「凄く工夫されているんですね。西ノ島にイベントとかが多いのも?」
「ええ。子供たちを楽しませるため、未来のためってのもあるかな」

楓は2人きりだから聞いてみたいことがあった。

「ねぇ…私が番にならなかったら他の島に行っちゃうの?」
「はい…でも楓さんの事は本気なので頑張って好きになってもらえるよう努力します!」
「ありがとう。…とりあえずハロウィン楽しもっか。一緒にいっぱい話せるわね」
「はいっっ!!」
突然緊張しピーンと背筋を伸ばした氷空。
楓はクスッと笑うと少し愛しそうに氷空を見つめた。
楓は恋愛話しは大好きだが自身となるとわからなくなる。

一緒にいたいと思う気持ちなのは友人としてか、恋なのか…

「お母さんの介護施設行きたいんだけど、いいかしら?」
「はい、もちろんっ」