ハロウィン前日、風雅の姿はなかった。
シロコのよると夜に戻ってくる事と何かあれば飛んで帰って来るとのことだ。
神社でお手伝い中、風雅目当ての女性たちが来ると司が追い払っていた。
紅葉は箒をバットのようにスイングしながら遊んでいると風雅目当ての女性たちに絡まれた。

「風雅様いないってどういうことよ!あんたが失礼な事したからでしょ!」
「失礼なこと?してないわよ〜むしろ風雅が私にキスしたり愛してるって言ってきたり失礼なことしてるのよね」
「な…なな…キス…あいし……」
悔しそうな女性たちに勝ち誇るように笑う紅葉。
紅葉の性格柄、売られた喧嘩は買う主義だ。

「フン!捨てられたクセに!!」
「ふん。そういう自分らは相手にすらされてないクセに」
売り言葉に買い言葉状態。
女性たちは「覚えてなさいよ!」と帰って行った。

「勝ったな。フハハ!…っ痛!」
「紅葉…お前、性格悪すぎ」
司が軽くチョップをかます。
司は絡まれていた紅葉を助けようとしたが紅葉が悪い顔をしたので見守っていた。

「仕方ないでしょ」
「まぁな。風雅様もよくこんなのを番にしようとするなんてな。神のお考えはわからん。風雅様逃したらお前をまともに嫁にしょうって奴いないんだから、覚悟決めとけよ」
紅葉の性格はアヤカシが原因だ。司はもちろん家族たちは紅葉の性格を責めない。紅葉は楓のように心配してくれる人に安心してもらいたいから、強くならねばと思っている。
風雅が来てから楓は安心し体調も良好だ。


「あれ、小太郎兄ちゃん?どうしたのかな?」
小太郎は鳥居の階段周りをウロウロし落ち着かない。次第に落ち込み仕事に戻っていった。

授与所にいた楓も小太郎の様子をみて心配そうな顔をしていた。

「あー…静香さんが来ないからだよ。決まった曜日に来るって言ったろ?かかさず来ていたのにな」

「小太郎兄ちゃんになんか聞いてる?」
「いや」