『おはよう』
「おはよ…」
紅葉が部屋のドアを開けると同時に風雅も部屋のドアを開ける。何度か同じことがあり狙ってやっているのか…
『オレを意識してる?可愛いな〜』
紅葉はムッとして朝の準備をし朝食を食べる部屋に行く。
朝食の席には美晴がいた。
楓によるととりあえず暫くは同級生と会わないように過ごすそうだ。
心の準備が出きたら話しを聞くつもりらしい。

「今日は飾りつけと父さんたち島の幹部や協力してくれる人たちの打ち合わせかな。前日の明日は子供たちに配るお菓子の準備、当日は朝から島の婦人会がパーティーの料理を仕込んでくれる。僕たちは案内係だから忙しいけどよろしく」
小太郎から予定の説明があった。
紅葉たちは今日の飾りつけと当日働くことになる。

学校へ行くため外の方をみると氷空がいた。

「氷空…!」
楓が駆け寄り「放課後飾りつけあるから手伝って」と言って帰ってもらった。

「あいつストーカーじゃない」
「連絡手段ないからね〜」
呆れている紅葉と美晴。

「ごめんね。平日学校だからって言って放課後に白虎神社で待ってもらうようにしたから大丈夫よ」
楓がため息をつき紅葉と学校へ向かい、風雅と美晴は神社に行った。
いつもの光景だ。

『楓が学校にいる間、氷空が何してるか探ってみるか…面白そうだしさ。黒糖!』
「ニャ!(まかせろ!)」
黒猫の黒糖に指示を出す風雅。

「子猫に偵察なんてできるの?」
『ただの子猫じゃなくてオレの使いだよ?難しいことじゃなきゃ出来るよ〜危険なら帰ってこさせるし』
「親に帰ってくるなって言われたんだっけ?家ないのかな?」
「えっ…どうしょう…うちに住んでもらった方がいいかな…」
『黒糖の報告待とうよ。学校遅れるよ〜』

楓はアワアワしているが急いで学校に向かった。

「ストーカーされるより住んでもらった方がよくないですか?」
『番じゃないからね…紋十郎が許可すると思うかい?』
「お父さんは頑固なとこあるし難しいかも」
紋十郎としては娘を嫁に渡したくない複雑な父心があるのだろう。