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夕食前に三姉妹で露天風呂に入ることにした。
最近は風雅専用だが許可をもらった。

「あ"〜〜生きかえる〜」
「紅葉姉、おじさんみたい」
「仕方ないでしょ〜」
紅葉と美晴のやり取りに楓はフフッと笑った。

「楓姉は氷空さんどう？話したんでしょ？」
神社にいた時は氷空がいたため本人の前では聞けない。氷空は白神家の屋敷まで楓を送り「また来ます」と帰っていった。

「氷空はお医者さんでね。時代遅れの島に医療技術を教えたりしているみたい…尊敬しちゃった」
「楓は医療関係の仕事に就きたいんだったよね」
「うん。そっちの話し聞きたいなとは思ったわ」
楓は氷空に対してなのか医療関係に興味があるからか氷空を好意的には見ているようだ。

「いいな〜」
美晴には風雅や氷空のように相手がいない。
霊力が弱いのでアヤカシの番に難しいし不登校中なので恋愛はできない。

紅葉と楓は今日の昼休みのことを伝えることにした。

「えっ……なんで今更……4年だよ……あたし……」
美晴は戸惑い「先に出るね！」と風呂から逃げるように出ていく。

「ま、こうなるよね」
「4年は長いでしょうからね…」

紅葉と楓は見守りつつ母の直美にだけ伝えることにした。
美晴が不登校になった当時、一番心配し美晴を諭しながらメンタルケアをしたのは直美だった。



夕食時に美晴はいなかったが、事情を知らない父の紋十郎と小太郎は心配していたが直美が「栗拾いに疲れて寝ただけよ」と上手く誤魔化してくれた。

紅葉と楓も誤魔化すように小太郎の恋の話しを話題にすると小太郎は真っ赤になっていた。

「恋人なの？」
「違うよ。仲が良い友達かな」
「早く付き合っちゃいなよ！ねぇ〜パパ？」

紅葉に言われ黙っていた紋十郎が口を開く。紋十郎も直美も小太郎の恋愛事情や恋人にならない理由を知っているので急かすことはしない。

「人にはそれぞれのやり方があるんだから茶化して急かしてやるなよ」
「恋を育む時間も必要よ？私と紋十郎さんはお付き合いから結婚まで早かったけど、最初の頃はお互い仕事が忙しいのもあって喧嘩が耐えなかったもの。小太郎が生まれてからゆっくり話したり愛を育んだら5人も子供出来ちゃうくらいラブラブになったんだから♪」

紅葉と楓は実は超ラブラブな両親しか知らないので喧嘩なんて想像つかない。


「いずれは恋人や結婚も考えてるからそっとしておいてくれないかな…」
紅葉と楓は勝手に盛り上がったが小太郎を見守っていくことにした。


風雅はガツガツ食べる猫たちを見ながら黙って話しを聞いていた。
栗拾いを手伝ってくれたご褒美に煮干しを1つずつだけあげた。