あの日から、なぜだか瑛二のことが気になって仕方ない。

俺の返答、間違ってないよな?
 瑛二も男だし、俺も男だし、俺は女の子を好きになったことしかないわけで……。
ちゃんと好きになった理由とか聞いたほうがよかったのか?

三日経ったいまでも頭の中をぐるぐるぐるぐる、それにあれ以来、お互いに連絡取り合ってねぇし。

「コター、帰り、日和と隣の駅に新しく出来たファミレス行くけど、行く?」

 またガバッと後ろから美香に抱き付かれて、どきりとする。

 ――ちょ、胸が……。俺だって、男だってのに無防備すぎだろ……!

「りゅ、龍生は?」

 頭を撫でられながら、なんとか尋ねる。
 帰りのHRが終わって気付いたら、もう龍生の姿がなかった。

「バイトだって」

 いつのまにか目の前に立っていた日和に両頬を摘ままれる。

「ひょっほ、はえおよ」
「虎太郎、ほっぺたモチモチ~」

 ちょっと、やめろよ、と言ったはずなのに全然離してくれねぇ。
 また小動物みたいとか思われてるんだろうな。

「コタ、最近、元気ないしさ。行こうよ」
「そうそう、アタシら相談乗るからさ」

 後ろと前からそんなことを言われて固まる。

「へ?」

 え、俺って、瑛二のこと気にしてんのそんなに顔とか態度に出てた?

「はい、行こ行こ」

 衝撃を受けている間に俺は二人に挟まれながら気付いたら電車に乗っていた。