◆ ◆ ◆
『コタ、今日の用事ってなんだったの?』
『もしかして、例の告白の彼女?』
夜、勉強机に向かっていると、いつメンのグループチャットに美香と日和からメッセージがきた。
ちなみに話し掛けられれば答えるが、龍生は基本既読だけして会話に入ってこない。
『違うって、普通に家の用事。今度穴埋めすっから』
そろそろ付き合い悪いとか思われたりすっかな、とか考えながらそうメッセージを送った。
「ほんと、女子って恋バナ好きだよな……」
アプリを閉じて、呟く。
画面が真っ暗になった瞬間だった。
「わっ」
急に着信画面になってビビる。
画面に表示された名前は『西 瑛二』。
――は? 電話? いや、まあ向こうは電話のほうが楽なのか。
そう思って、緊張しながらも慣れない電話に出る。
「もしもし?」
『もしもし、虎太郎、急にごめん』
「おう」
『電話、迷惑だった?』
「べ、別に」
瑛二の声を聞きながら、なんとなく落ち着かなくて、部屋の中を歩きまくる俺。
ここまでで、多分部屋の中一周半くらいはしてる。
『いま、なにしてた?』
「もう寝ようとしてたけど」
明日の授業の予習も終わったし、ほんとに寝ようとしていた。
つーか、ぜんぜん会話の続け方が分かんねぇ。
『そっか……、あのさ』
「ん?」
『ほんと、誤解させてごめんね』
「いや、それ言ったらこっちもなんだけど」
もうほんと、瑛二は謝ってばっかだなと思う。
「つーかさ、今日、外で会ったとき、よく俺の声だってすぐに分かったな」
瑛二と会ったのはたった二回だったし、名前呼んだだけだったのに、ほんと……。
『うん、俺、虎太郎の声好きだから。すぐ分かるよ』
「なっ、またそういうこと簡単に言う」
好きって言葉がくすぐったい。
瑛二は背が高いからか、ちょっと低く掠れるような声をしているし、まじで耳が落ち着かない。
『ふふっ、もう寝るんだよね? 一日の終わりに虎太郎の声が聞けて嬉しかった。おやすみ』
「お、おう、おやすみ」
電話はあっさりと切れた。
切れたあとに真っ暗になった画面を見て
「あっま!」
俺はスマホをベッドに投げた。
なんだ、これ、付き合いたてのカップルかよ?
え、俺、間違って、昼間に告白とかしてないよな?
というか、また聞き忘れた。
なんで俺に一目惚れしたのか。
「痛っ」
ベッドにダイブして先に居座っていたスマホに額をぶつけた。
『コタ、今日の用事ってなんだったの?』
『もしかして、例の告白の彼女?』
夜、勉強机に向かっていると、いつメンのグループチャットに美香と日和からメッセージがきた。
ちなみに話し掛けられれば答えるが、龍生は基本既読だけして会話に入ってこない。
『違うって、普通に家の用事。今度穴埋めすっから』
そろそろ付き合い悪いとか思われたりすっかな、とか考えながらそうメッセージを送った。
「ほんと、女子って恋バナ好きだよな……」
アプリを閉じて、呟く。
画面が真っ暗になった瞬間だった。
「わっ」
急に着信画面になってビビる。
画面に表示された名前は『西 瑛二』。
――は? 電話? いや、まあ向こうは電話のほうが楽なのか。
そう思って、緊張しながらも慣れない電話に出る。
「もしもし?」
『もしもし、虎太郎、急にごめん』
「おう」
『電話、迷惑だった?』
「べ、別に」
瑛二の声を聞きながら、なんとなく落ち着かなくて、部屋の中を歩きまくる俺。
ここまでで、多分部屋の中一周半くらいはしてる。
『いま、なにしてた?』
「もう寝ようとしてたけど」
明日の授業の予習も終わったし、ほんとに寝ようとしていた。
つーか、ぜんぜん会話の続け方が分かんねぇ。
『そっか……、あのさ』
「ん?」
『ほんと、誤解させてごめんね』
「いや、それ言ったらこっちもなんだけど」
もうほんと、瑛二は謝ってばっかだなと思う。
「つーかさ、今日、外で会ったとき、よく俺の声だってすぐに分かったな」
瑛二と会ったのはたった二回だったし、名前呼んだだけだったのに、ほんと……。
『うん、俺、虎太郎の声好きだから。すぐ分かるよ』
「なっ、またそういうこと簡単に言う」
好きって言葉がくすぐったい。
瑛二は背が高いからか、ちょっと低く掠れるような声をしているし、まじで耳が落ち着かない。
『ふふっ、もう寝るんだよね? 一日の終わりに虎太郎の声が聞けて嬉しかった。おやすみ』
「お、おう、おやすみ」
電話はあっさりと切れた。
切れたあとに真っ暗になった画面を見て
「あっま!」
俺はスマホをベッドに投げた。
なんだ、これ、付き合いたてのカップルかよ?
え、俺、間違って、昼間に告白とかしてないよな?
というか、また聞き忘れた。
なんで俺に一目惚れしたのか。
「痛っ」
ベッドにダイブして先に居座っていたスマホに額をぶつけた。