――煌々きらりきらりら。瞬く星々に祝福を受ける。
「新月は、『朔』とも言う。『朔』という字は、『ついたち』とも読むんだ。新月は、始まりの日でもあるんだ。僕らは何度でもここから、また、始めればいいんだよ」
 冬馬の声が、優しく翔の鼓膜を震わせる。空虚だった胸の中が、温かいもので満たされていく。人って感動しても泣けるんだと、初めてそう思えた。