花にはその(しゅ)の女王がいる。彼女らが種子を撒き、芽を出し、季節になり開花式の中で術を施し一斉に咲かせる。
 そんな彼女らの力を維持するために、女王になる一八の時、人間から番をとる。選ばれた者は生まれつき体のどこかに花を模した痣をもつ。そして女王が一八になる時、彼女の元へと行くのだ。

 これは花の女王と人間の番の恋しい物語。