思えば、私の夢や目標は、ほとんどあの人たちがきっかけだった。
あの日、あの瞬間、ずっと暗闇だった私の世界が、一気に澄み渡る青空へと変わった。
たった一歩を踏み出せるかどうかで、人生は大きく変わる。
そう気づかせてくれたのは、あの人たちだった。



「中学校入学おめでとう。これから大変なこともあるだろうけど、頑張ってね」
「ありがとう、お母さん。私、頑張るね」
そう、お母さんと約束したはずなのに、今の私はまったく勉強を頑張れていない。
私は中学校に入学して、吹奏楽部に入った。
入部した理由は至って単純。私は運動部に入りたくなかったが、私の学校には文化部が吹奏楽部と美術部の2つしかなく、絵をかくのが得意じゃなかったため、吹奏楽部にしたのだ。
まだ、入部した当初は思いもしなかった。こんなにも辛い日々を過ごす事になるなんて。