番外編④【「if」〜〜和彦Love End〜〜もしも澪が違う相手を選んでいたら〜〜】



澪はゆっくりと考えて答えを出した。

「私が…私の好きな人は……!」

澪は心に決めた相手の元へ向かった。

「私、和彦が好きです。私なんかでよかったら今後とも宜しくお願い致します!」
手を差し出すと和彦は一瞬、驚いた顔をしたがすぐに満面の笑顔になると澪の手を取った。

「うわ、マジで嬉しい!こちらこそ宜しくお願いしますっ!」

見つめ合うと合図をしたわけでもなく、お互いが求め合うように唇を重ねた。


それからすぐに澪は聖臣に感謝と謝罪をした。
「謝るな。澪が決めたことだ」そう言ってフッと微笑む。

お祝いだと借金はチャラにしてもらった。
インコのヴィクトリアは前に話し合いで聖臣が飼い主になったのでお任せした。

澪は借金が無くなり、メイドは辞めて和彦と同棲を始めた。

「澪!婚姻届にサインして〜」
「え?いきなり結婚するの?」
「…………」
「………?」
数秒の無言のあと、和彦は「うわああっ!しくじったああっ!」と頭を抱えながら叫ぶ。






「澪と両想いになって嬉しくて、嬉しくて…ごめん。早とちりした」
「ううん。サインするね。遅かれ早かれ結婚するんでしょ?」
澪は和彦が可愛いなと思った。結婚を視野に入れてくれるなんて嬉しい。

サインをしたものの、婚姻届の用紙は引き出しにしまうことにした。
ゆっくり二人の時間を大事にしたいと話し合い、愛を育くんでいこうと。


澪は和彦を選んだのは、年が近く、気安い感じで話しやすいのもある。
一番は気遣いをしてくれる優しいところ。
突然、キスされたことが何度もあるが、嫌ではなかったのは澪が気づかないうちに和彦を特別な感情があったのだと思っている。


「今日は和食の創作料理作ってみたのだけど、どうかな?」
「うんうん!めっちゃ美味いよ〜」
和彦はパクパクと頬張りながら、本当に美味しそうに食べてくれる。
仕事を辞め、百目鬼家に嫁ぐために花嫁修業をしている澪。
合間に料理の腕を磨く為に試行錯誤しているうちにハマり、稀ながら創作料理を作っている。





━━━━そして数年後、澪と和彦は晴れて結婚式を迎えた。