聖臣と澪が結婚式をしてから少し忙しい日常を過ごしていた。
聖臣は変わらず澪を甘々溺愛中なのだが、澪は百目鬼次期当主の伴侶として会社や財閥主催の社交パーティーに参加する機会があるとのことで必要なスキルを身につけるべく百目鬼家の本家でレッスンをしていた。
ある日の夜、聖臣は弟の和彦と一緒に帰って来て、くつろいでいるところで前から気になっていたことを聞いてみた。
「聖臣様は女性が嫌いでしたよね?今まで、どう過ごされていたんですか?」
聖臣と和彦は母親に虐待され、祖父母の別宅で療養していた。聖臣は女性嫌い、和彦は女性の愛を求めヤンチャしていた。
「子供の頃は男子校に行って社会人になってからは百目鬼家の力で自社の女社員も含め避けていたな。取引先などで事前に女の社員がいるとわかれば和彦任せにしていた。」
初めて澪と会社で会ったのは予定外だったため聖臣はかなりキレていたのだ。
「食事も外食ばかりでしたよね?女性店員もいたんじゃないですか?」
「いない場所や時間帯を部下に調べさせてから行っている。外食ばかりではなくテイクアウトもしていたが部下に買ってこさせていたな」
「兄貴は異常なんだよな〜変装してたし」
「変装じゃない武装だ」
大笑いをしていた和彦に聖臣をすかさず訂正した。
目が良いにも関わらず眼鏡を掛けているのは直接、女性の姿を目に入れたくないから。
『金剛田権造』という適当な名前をつけ聖臣いわく変装ならぬ武装は、女性に嫌われるように女性と接触する時に特殊メイクを数時間かけてやっていたらしい。
パーティーなどで金剛田の姿で参加し会社も「仕事はできるが人間性はクソ」と悪評を作り女性を近寄らせないよう徹底ぶりだ。
澪とお見舞いした時も金剛田の武装姿で現れた。
「和彦さんや百目鬼家の力でなんとかなっていたのですね…」
澪は話しを聞き、別の意味で聖臣は完璧主義なんだと尊敬した。
「そうそう。兄貴が一人暮らしするって言い出した時は心配でオレも付いて来たわけよ〜」
「……」
聖臣が「そうだったのか」と少し驚いていた。
どっちが兄かわからない。
「金剛田の声も変声機を?」
「あれは俺が女を苛つかせ嫌われるために高い声でわざと滑舌悪くしていた。特殊メイクで喋りにくいのもあったがな」
「なるほど。今の聖臣様の姿で金剛田の声できるんですね。聞いてみたいです…」
「は?」
澪はなんとなく言っただけなのだが聖臣は唖然とし和彦は「澪ちゃん意外とドS〜」と笑っていた。
「ほらっ。愛する澪ちゃんのお願いだろ兄貴!」「…………………わかった」
和彦は聖臣の肩をポンポン叩き澪は「えっ?えっ?」と焦っていた。
「…み、澪しゃん〜赤ちゃんいっぱいできしょぉ〜なやらしい乳房でしゅな〜…ぐひひっ…………もう勘弁してくれ」
聖臣は澪の方を向き、真顔で金剛田の真似をしたが段々と恥ずかしいのか赤くなっていった。
超イケメンの聖臣なら許されそうだが金剛田なら気持ち悪いセクハラ発言。
これは女性に嫌われる…本当に徹底ぶりが凄い。
和彦は近くにあったクッションを叩きながら大爆笑をしていた。
「これからは澪がいる。澪と一緒ならこの姿でパーティーにも出席するから…」
「はい、私も頑張って聖臣様に恥かかせないようにしますね」
澪は恥ずかしそうにしている聖臣を抱きしめた。
「…澪。俺の練習だと思って新婚旅行に行かないか?」
「えっ?はい、喜んで!!」
聖臣は結婚式の時ですら出席者に女性を最低限しか呼ばなかったので、女性を避けらない新婚旅行は諦めていた澪は思わぬ言葉に嬉しくてつい幸せと笑顔が溢れた。
聖臣は変わらず澪を甘々溺愛中なのだが、澪は百目鬼次期当主の伴侶として会社や財閥主催の社交パーティーに参加する機会があるとのことで必要なスキルを身につけるべく百目鬼家の本家でレッスンをしていた。
ある日の夜、聖臣は弟の和彦と一緒に帰って来て、くつろいでいるところで前から気になっていたことを聞いてみた。
「聖臣様は女性が嫌いでしたよね?今まで、どう過ごされていたんですか?」
聖臣と和彦は母親に虐待され、祖父母の別宅で療養していた。聖臣は女性嫌い、和彦は女性の愛を求めヤンチャしていた。
「子供の頃は男子校に行って社会人になってからは百目鬼家の力で自社の女社員も含め避けていたな。取引先などで事前に女の社員がいるとわかれば和彦任せにしていた。」
初めて澪と会社で会ったのは予定外だったため聖臣はかなりキレていたのだ。
「食事も外食ばかりでしたよね?女性店員もいたんじゃないですか?」
「いない場所や時間帯を部下に調べさせてから行っている。外食ばかりではなくテイクアウトもしていたが部下に買ってこさせていたな」
「兄貴は異常なんだよな〜変装してたし」
「変装じゃない武装だ」
大笑いをしていた和彦に聖臣をすかさず訂正した。
目が良いにも関わらず眼鏡を掛けているのは直接、女性の姿を目に入れたくないから。
『金剛田権造』という適当な名前をつけ聖臣いわく変装ならぬ武装は、女性に嫌われるように女性と接触する時に特殊メイクを数時間かけてやっていたらしい。
パーティーなどで金剛田の姿で参加し会社も「仕事はできるが人間性はクソ」と悪評を作り女性を近寄らせないよう徹底ぶりだ。
澪とお見舞いした時も金剛田の武装姿で現れた。
「和彦さんや百目鬼家の力でなんとかなっていたのですね…」
澪は話しを聞き、別の意味で聖臣は完璧主義なんだと尊敬した。
「そうそう。兄貴が一人暮らしするって言い出した時は心配でオレも付いて来たわけよ〜」
「……」
聖臣が「そうだったのか」と少し驚いていた。
どっちが兄かわからない。
「金剛田の声も変声機を?」
「あれは俺が女を苛つかせ嫌われるために高い声でわざと滑舌悪くしていた。特殊メイクで喋りにくいのもあったがな」
「なるほど。今の聖臣様の姿で金剛田の声できるんですね。聞いてみたいです…」
「は?」
澪はなんとなく言っただけなのだが聖臣は唖然とし和彦は「澪ちゃん意外とドS〜」と笑っていた。
「ほらっ。愛する澪ちゃんのお願いだろ兄貴!」「…………………わかった」
和彦は聖臣の肩をポンポン叩き澪は「えっ?えっ?」と焦っていた。
「…み、澪しゃん〜赤ちゃんいっぱいできしょぉ〜なやらしい乳房でしゅな〜…ぐひひっ…………もう勘弁してくれ」
聖臣は澪の方を向き、真顔で金剛田の真似をしたが段々と恥ずかしいのか赤くなっていった。
超イケメンの聖臣なら許されそうだが金剛田なら気持ち悪いセクハラ発言。
これは女性に嫌われる…本当に徹底ぶりが凄い。
和彦は近くにあったクッションを叩きながら大爆笑をしていた。
「これからは澪がいる。澪と一緒ならこの姿でパーティーにも出席するから…」
「はい、私も頑張って聖臣様に恥かかせないようにしますね」
澪は恥ずかしそうにしている聖臣を抱きしめた。
「…澪。俺の練習だと思って新婚旅行に行かないか?」
「えっ?はい、喜んで!!」
聖臣は結婚式の時ですら出席者に女性を最低限しか呼ばなかったので、女性を避けらない新婚旅行は諦めていた澪は思わぬ言葉に嬉しくてつい幸せと笑顔が溢れた。