聖臣は百目鬼グループの社長をしており、日々忙しく過ごしていた。
周りの連中から「そろそろ跡継ぎはまだか」など苦言を言われ、更に女性嫌いを知っている父親の和臣からもついに「孫が欲しい」と言われてしまいイライラがピークに達した頃。

仕事が終わり車で帰路につこうとした時、車を運転中に窓にペシャっと鳥が落ち、視界を遮られた。

舌打ちをしながら車を停車し鳥をその辺にでも逃がそうと鳥を雑に掴み、よく見るとセキセイインコだった。

「野生にインコなんていないだろ?捨てられたか…」

足を怪我し毛もボサボサ。
仕方なく動物病院に連れて行くと推定1〜2才のメスのインコらしい。

助けた以上、放置するわけにもいかず部下に必要な飼育セットを用意させ飼うことにした。

『コンニチハ!ミオダヨ〜』
「喋るのか!」
インコは元気を取り戻したが足がまだ痛々しい状態だ。

『ミオダヨ〜ミオチャン!!』

『〜♪』

インコは美しい歌声で歌を唄う。
そんな聖臣は聴き惚れてしまい、次第にイライラが癒されてしまった。

謎テンションで滅茶苦茶な歌を唄うミオも聖臣は癒やされ、スマホの画像や動画フォルダはミオばかりになった。歌声を録音しイライラした時は癒やしを求め大音量で流していた。

「ミオ…可愛い名前だ。お前が人間だったら結婚したかったよ…俺が触れられる女はお前だけだろうからな」
ミオの虜になった聖臣は大事にした。



そして本来の飼い主「伊澄澪」と運命の出会いを果たす聖臣