「聖臣様、おはようございます」

「……」
「あ…」
聖臣は不機嫌だった。

「おっは〜愛しの澪ちゃん」
「か、和彦さんっ!おは、おはようございますっ!」
「オレのこと異性として見てくれてるんだね〜顔赤いよ?」
思わず顔を赤らめ下を向く澪

和彦は澪の耳元で囁く
「オレの婚約者《フィアンセ》になった時は"澪”って呼びすてしていい?」
「婚約者関係なく今から澪でいいよ?」
「いや、婚約者になってから呼んだ方が特別感あるし、まだいいよ」

和彦が頬にキスする

そんな2人のやり取りを聖臣は横目で見ながら通りすぎた。


「聖臣様、すぐ朝食の準備しますね」
「…」
聖臣は無言のままだ。

それから朝食となり出社時間となった。

「聖臣様、和彦さん、今日のお弁当です」
「わ〜澪ちゃん、いつもお弁当ありがとうね」
聖臣は何も言わず弁当を受け取り行ってしまった。

「あ…」
「気にしないでいいから。兄貴はツンデレだから今、ツンツン期なんだよ。嫌な気分にさせてごめんね。オレも行ってきま〜す」
「はい、いってらっしゃいませ」



その日から聖臣は澪に対して無言や無視を貫いていった。