お昼のランチはホテルのレストランへ。

「もしかして…」
「当然、貸し切りだ」
「……」

ランチ中は聖臣の話を聞いた。今まで何も知らなかったので興味深かった。


ランチ後はホテルの近くに商業施設があるので、そこで買い物など楽しむことに。


高い立地の商業施設だからか高級なものやお洒落で溢れていた。

戸惑っていた澪に聖臣はペットショップへ行かないかと提案する。

愛鳥のヴィクトリアのご飯やオヤツ、新しい玩具などを見て回った。
聖臣は終始、ヴィクトリアの好みか喜んでくれるかなど考えてくれた。
そんな聖臣の姿を隣でみていた澪は顔が誇ろんでいく。

「聖臣様、改めてヴィクトリアを助けてくださってありがとうございます!」
「どうしたんだ、いきなり。ヴィクトリアは突然降って来て、いつの間にか俺の癒やしになった。ヴィクトリアは美人で美声で歌うからな」
「ヴィクトリアは美人で可愛いコミュ力の高い女の子ですからね。聖臣様の心を鷲掴みにしたのかもしれません」
ヴィクトリアの話は話題が尽きなかった。



聖臣は途中で逆ナンにあったり女性を見ただけでイライラしていたが、澪が声をかけるとご機嫌になっていった。



デートのラストはクルーザーでディナーだ。

「これも…」
「百目鬼財閥所有のクルーザーだから貸し切りだな」

(百目鬼財閥すごいって何度思っただろう…)


「あの聖臣様…お聞きしたいことがあるのですが」「なんだ?欲しい物があるなら何でも買ってやるぞ」

「いえ、聖臣様はその…最近ずっとご機嫌で、私にも優しくて何かあったのでしょうか?」

恐る恐る尋ねる

「お前が信用できる女だと思ったからだ。それにお前は俺の子を産む道具だからな。早くその気にさせるためだ」

「えっ、そうだったんだ…」

そうポツリとつぶやき複雑そうな顔をしている澪だが、聖臣はあえて本心を伝えなかった。




『神様がきっと素敵な方と巡り合わせてくださいますよ』

「お祖母様の言葉は嘘じゃなかった…疑って申し訳ないな」

神様が巡り合わてくれた運命の相手が澪だといいなと心から想いながら聖臣は澪と帰路についた。