目が覚めるとすでに聖臣が起きていた。
雇い主より後に起きるなんて!と慌てて起き上がる

「聖臣様、申し訳ございません」
頭を下げて謝罪するが頭を撫でられていた
ビックリして少しずつ頭を上げると聖臣が優しそうに微笑んでいた。

(怒ってない?)
「寝起きの澪も慌ててる澪も可愛いな」
「えっ?」

それからご機嫌なのか澪に対して笑いかけてくる

「澪の手料理はいつも美味しいな」

態度が昨日までと違うことについていけなかった。

(聖臣様がおかしい。何か企んでる?)




変化に困惑しつつ聖臣の出社時間になった。

「いってらっしゃいませ」
「ああ……」

聖臣は澪を引き寄せおでこにキスをした
「ふえっ!」
聖臣の突然の行動に変な声が出てしまった

聖臣は微笑みながら顎をクイッと持ち上げ
「唇の方がよかったか?」
「えっあ、あの」

「兄貴ィ、久しぶりに一緒に出社しょ〜…ぜ?み、澪ちゃん!」
「チッ」
「和彦さん?」
ヒョコっと現れたのは澪とお見合い?しキス魔の和彦だ。
ちょっと助かったと思ったが、何故和彦がここにいるのか疑問だった

「あの兄貴って、もしかして?」
和彦は聖臣を澪から引き剥がす
「こいつは百目鬼和彦。俺の実弟だ」
(同じ苗字だと思ってたけど聖臣様から兄弟の話なんて聞いてないから、てっきり赤の他人かと……並ぶと凄く映える)

聖臣は俺様系クールビューティーで和彦は王子様フェイスでスターオーラ全開と言ったところか。
兄弟ながら雰囲気が違う。

なんて考えていると「隙あり!」とばかりに和彦から抱きしめられキスをされる

「んん……ふはぁ…」

今度は聖臣が和彦を無理矢理引き剥がす。
不機嫌オーラがダダ漏れだ

「澪、いってくる」
「あー澪ちゃん〜澪ちゃん〜!」


「い、いってらしっしゃいませ」


和彦は澪の名を叫びながら聖臣に強制的に引きづられて出ていった