✱✱✱✱✱✱✱ Side takakomi ✱✱✱✱✱✱✱

「……」
聖臣はゆっくり目が覚めた

(またあの女の夢…年々減ってきたんだがな…)
聖臣のいうあの女とは母親のことである。
聖臣は忘れたくても酷い虐待されていた事を体が覚えているようで夢を見る。


(ん?なんだいつもと違う違和感が…)
状況を把握しようと周りを見ると澪が聖臣を抱きしめていた。

「…………」


(そういえば…夢の中で苦しんでいた時、優しくて心地よい何かが俺の不安や恐怖を包み込んで安らぎを与えてくれたような…)

抱きしめられたままの聖臣は眠っている澪をじっとみつめた




(俺は澪を信じていいのか?)




(いや、俺が信じたい。)



聖臣は澪が破棄した強い目をした時を思い出していた。
あの時から聖臣は澪に惹かれ、専属メイドにして手元に置いたり一緒に寝ようなどと自分で自分の発言に驚くほど無意識に言い出したんだと気づいた。




(まったく百目鬼家の血筋はどうしようもないな)


澪の髪と頬を優しく撫で首筋にキスをした


(まさか俺がお前に屈する時がくるとはな…)



「お前だけ好きだ」