髪もスーツも乱れてしまっていた。
身だしなみを軽く整え、金剛田の待つ部屋へ憂鬱になりながら向かう。  

部屋に入ると金剛田はシャワーを浴び終えたのかバスローブだった。

「あの…今日は気分悪いので帰ります、失礼致します」

「駄目だ。お前には役目を果たしてもらう」 
腕を強く掴まれる 


(あれっ声がなんだか…)

「ちょ…嫌っ!じ、自分でできますからっ」
金剛田は脱衣所に連れていき無理矢理脱がそうとしてきた。

「とっとと終わらせてこい」
金剛田は脱衣所から出ていく


もし家族に見切りをつけていたら裏切られても身売りされても強い自分で入れたのに…
恋愛だって諦めてなかったら自分を愛してくれる人、暖かい家族を今頃…しかし一生手に入らなくなってしまった。

もうすぐ好きでもない男に抱かれるのだ…

時間は待ってくれない

覚悟を決めようとする澪の耳に歌声が聴こえた


(あれ…この歌…もしかして…)

聴き覚えがあった、澪が一人暮らしをしていた時に飼ったペットのインコだ。

(幻聴…だよね…でも!)

だとしてもインコがいてくれたから変われた自分がいた。

たとえ幻聴でも…

(今の現状を良くする為に戦わなきゃ!)


澪の目に輝きが戻る