十六夜たちがアヤカシの洞窟で待っていると

「到着ですぅぅ〜!!」

『榛名!!』
「十六夜様っ!ご無事だったのですね!」
榛名と十六夜は強く抱きしめ合った。
そして無事だった歓喜と愛を確かめ合うようにキスをした。

『たしかにこの力は凄まじい…しかしまだ本領発揮していないようですね』
キスをしている2人を冷静に、榛名の力を分析した翡翠。

抱きしめ合ったまま榛名は十六夜に伝えなければならないことがある
「私が行きたいと我儘を言ったばかりに我儘を言わなければ十六夜も傷つかずにいたのに…もう二度と我儘はいいません。申し訳ございませんでした」

『いや、我儘だと思ってないし我儘はたくさん聞きたいから言ってくれ。俺も見せびらかしたいからと島の連中に見せた結果、榛名が狙われた。すまなかった』

「いいえ。十六夜様が私を自慢したいと言ってくださったことは光栄でしたし、光希様たちを助けられませんでした」

『榛名…』

「どっちもゴメンナサイしたから終わりですぅ」
「仲良しなの〜」

十六夜は榛名と一緒に来た、天狗のアヤカシを睨みつけた。

「あ、この方は天狗の当主の奥様でいらっしゃる音羽さんです」

「この度は当主と息子が大変ご迷惑をおかけしました。私は音羽、榛名様に救っていただいた恩を返しに来ました」 
音羽は十六夜に頭を下げた。

『恩?何をしてくれるんだ?榛名に何かしたら許さないぞ』

「榛名様の力にです。当主と息子は私がなんとかします」

『…………』 
天狗のアヤカシにいい感情がないため塩対応する十六夜。

「天狗がそろそろ追ってくる頃ですわん」
葵が声をかける、すでに回復していた。


『ムク、ミクに乗れ。移動する』


「どこに行かれるのですか?」


『青龍神社だ』



ムクとミクと移動している途中、雪愛たちは榛名と十六夜を目撃した。

「十六夜様っ!!」

雪愛の声も届かず行ってしまった。

すると翼と天狗の当主がやってきた。

「雪愛!!」
「翼様…」

「忌み子がどこに行ったかわかるか?」

「たしか青龍神社って」

「我々も行こう」

「私も連れてってください、翼様…お願い♪」

「わかったよ、雪愛には叶敵わないな。他の家族は家に帰ってくれ」




雪愛、翼、天狗の当主は榛名と十六夜を追いかけるために青龍神社に向かった。