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「で〜すぅ〜で〜すぅ〜♪」
「なの〜なの〜♪」 
ムクとミクは榛名が遅いバレンタインであげた鹿せんべいが気に入ってしまったらしく、十六夜に小麦粉と米ぬかをおねだりをしたのだ。

ご機嫌に歌?を歌いながら作っていた。

光希はムクとミクが可愛くて仕方ないのかよく話したり一緒にいて、今も笑顔がほころんでいる。

七宝は嫉妬しているかと思ったが、そんな光希が可愛くてたまらないようだ。


(あれから数日、光希様と七宝様はここに馴染んでいてくださってるようで良かった)


「光希様は小さい子がお好きなのですか?」

「11歳の弟と6歳の妹がいますわ。弟は少し反抗期ですが、それもまた可愛くて。妹は霊力はまだ備わっていませんが将来有望そうだそうですわ」


「ムクちゃんとミクちゃんの扱いが上手くて面倒見が良いのですね」

榛名は牢屋に入れられて以降の本家の事は知らなかった。
正月の準備で手伝わされたが、裏で他人が嫌がる仕事をさせられていたので光希の兄弟の面識は勿論、存在すら知らなかった。
光希が兄弟の話しを語る時、幸せそうな優しい顔で、慈悲深い方なんだろうと何度でも思った。

「でしたらご実家を離れ、心配ではないのですか?私じゃ何もできないのですが…」

「十六夜様から実家のことをお聞きしています。滞在されている葵さんがいらっしゃるそうなので安心しています」

葵がいないことに気がつき、慌ててたのだが十六夜から葵は東丿島の監視命令を出したという。
十六夜は榛名を心配して行かせたのだが、榛名には神代家の見張り&護衛だと伝えた。



「鹿せんべいできたなの!」
「大きいの作ったですぅ!」

「凄いですわ!私にも教えて下さいな」

「まかせるですぅ」
「鹿せんべいを作りは匠の技なの!」

ムクとミクは腰に手を当てエッヘン!とドヤ顔をしていた。