十六夜は神通力の説明をする。
4つの島の初代神子は神の継ぐ子ゆえ、神通力が同等な事、それ以降は島の者であれば神通力がかなり稀に現れる事、神通力があれば神獣の神子の資格があり、婚姻も可能な番になれる事を説明した。
もちろん神通力があっても神獣が認めなけば神子になれない事も注意点として説明した。

榛名の力は更に唯一無二と言っていいほどの、癒しの力だという事も。

『榛名という貴重な神通力を持つ者を牢屋に閉じ込め奴隷以下の扱いをする家族や島民がいるとはなぁ』

神楽家や島の住人たちに圧をかけるように煽った


『神代の当主よ、霊力がない者であろうとも一住人として同等に扱うよう掟でも何でもいいから作り島の連中に伝えておけ』

「はい!仰せつかりました」
清正は頭を下げる


島の住人たちも
「忌み子…は、榛名様にそんな力があったなんてねぇ〜」
「誰だよ、忌み子って言った奴」
「神楽家だろ。牢屋に閉じ込めて毎日痛めつけた恥知らず一家」
手の平返しをし、責任を神楽家に擦り付ける

「な、なんだお前らは!」
「そうですよ!私たちは榛名を大切にしてましたわ」
雪愛たちの両親は否定し、神楽家と島の住人たちによる混乱と争いがおきた。


『ふん。人間は本当に愚かだな』

「十六夜様、あまり煽ってはいけません」

『俺たちには関係ないだろう?』
榛名の頭を優しそうに撫でる


「榛名さん…いえ、榛名様が癒しの力があると言うのは本当でしょうか!…不躾ではございますがお願いがございます!何卒お力をお貸しください!」


必死に悲願するような声の主は神代光希だ