今日の夕食はお雑煮を作った。

1月も終わりに近づき、10年ぶりにお雑煮が食べたくなった。

牢屋にいた頃はもちろん与えてもらえず、焦げた硬い餅を出されたことくらいだ。

餅は十六夜とムク&ミクが楽しそうに餅つきをしてくれたので、しばらく餅の消化が大変になる。


「十六夜様に感謝し、いただきます」
『ああ、いただけ』
(やっぱり見られるの恥ずかしい…)

最近、十六夜は食事をする榛名を眺めにきていた。
十六夜と会話できるのは楽しかった。

「十六夜様とお話しできる時間が増えて嬉しいです」素直に伝えると十六夜は優しく微笑む
『俺もだ。暇だった日々を忘れさせてくれたお前には感謝する』

「十六夜様…」

『このままお前を食うのが惜しいくらいだ。……だが、八重の魂を永遠にするために食わねばならん』

「はい、十六夜様に食べられる日を楽しみにしています」

『そう言って貰えると迷いなく食べられそうだな』

(十六夜様が八重さんしか見えなくても…私は十六夜様といられるだけで嬉しいんだ…)