＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝ この物語はあくまでもフィクションです ＝＝＝＝＝＝＝＝＝
============== 主な登場人物 ================
南部（江角）総子・・・大文字伝子の従妹。南部興信所所長の妻。EITOエンジェルのチーフ。
大前英雄管理官・・・EITO大阪支部の管理官。コマンダー。総子からは『兄ちゃん』と呼ばれている。
足立祐子・・・EITO大阪支部メンバー。
石動悦子・・・ EITO大阪支部メンバー。
宇野真知子・・・ EITO大阪支部メンバー。
丘今日子・・・EITO大阪支部メンバー。看護担当。
河合真美・・・ EITO大阪支部メンバー。
北美智子・・・ EITO大阪支部メンバー。
久留米ぎん ・・・ EITO大阪支部メンバー。
小峠稽古 ・・・ EITO大阪支部メンバー。
指原ヘレン ・・・ EITO大阪支部メンバー。
愛川いずみ・・・EITO大阪支部メンバー。通信担当。
白井紀子・・・EITO大阪支部メンバー。資材・事務担当。
芦屋一美（ひとみ）警部・・・三つ子の芦屋三姉妹長女。大阪府警からの出向。総子からは『ひとみネエ』と呼ばれている。
芦屋二美（ふたみ）二曹・・・。三つ子の芦屋三姉妹の次女。陸自からの出向。総子からは『ふたみネエ』と呼ばれている。
芦屋三美（みつみ）・・・芦屋財閥総帥。総合商社芦屋会長。EITO大阪支部のスポンサー。総子からは『みつみネエ』と呼ばれている。
南部寅次郎・・・南部興信所所長。
横山鞭撻警部補・・・大阪府警の刑事。
= EITOとは、Emergency Information Against Terrorism Organizationを指す ＝
午前10時。総子のマンション。
「ごめんやで、みつみネエ。こんなええマンション。」総子は頭を下げた。
「いいのよ、私たち三姉妹はね、偶然あなたの闘いを見てからファンになったの。幾らでも『追っかけ』をやるわ。総子は私たちのアイドルですもの。」と、三美は平然と言った。
「流石、財閥の総帥様。賃貸マンションでも帝塚山やったら、一生かかっても借りられへんわあ。」と祐子が言い、隣にいる真知子が「コマンダーも腰抜かしてたわ。そんな事情があったんですね。」と、言った。
悦子が遠慮がちに、「あのー。車庫の奥、えらい広い様な気がするけど、外車並んでるんですかあ？」と三美に尋ねた。
「ああ。前はね。今はオスプレイを収納しているわ。EITO大阪支部が仮本部から正式支部に変わったら、移動する予定ではあるの。」
「え？ここから出撃するんですか？プールが左右に開いて・・・。」
真美の言葉に、「何で知ってるの？大前さんが、こういう形がかっこいいって言うから、そうしたんだけど。何か不都合ある？」と三美が応えた。
真美は今日子に小声で「えらいこと聞いてもうたわあ。」と言い、今日子は頷いた。
南部はかいがいしく動き、紅茶をリビングのテーブルに並べた。
「総帥。あ。いや、三美さん。正式支部って、どれくらいの大きさですか？」と美智子は三美に尋ねた。
「ああ。昔の日生球場くらいかな？って大前さんが言ってたけど、私達には、ちんぷんかんぷんいっきゅうさん、よ。」と、三美は笑ったが、皆ぎこちなく会釈するに留めただけだった。
しかし、「みつみネエ。それは、とんちんかんちんいっきゅうさん、やで。」と、トイレから出てきた総子が言ってのけた。
チャイムが鳴って、南部が出ると、一美と二美が立っていた。
「引っ越し、おめでとうございます。」と、一美がお土産を南部に渡した。
「おおきに。ありがとうございます。しかし、並んでみると、やっぱり似てるなあ。三つ子やからなあ。」と、南部は感心した。
いずみのスマホが鳴動した。「コマンダーだわ。」と、いずみはスピーカーをオンにした。
「みんな、事件や。休暇は終わりや。日本橋通りで、高校生達が拳銃持って暴れてる。そこからオスプレイで向かってくれ。いずみと紀子はEITO大阪支部に戻れ。」
「よっしゃ、皆行くで！・・・って、どう行ったらえんやろう？」総子は困った。
「いずみちゃんと紀子ちゃんは私がEITO大阪支部まで送るわ。一美ネエは府警に戻って。二美ネエは、オスプレイをお願い。」と、三美は言った。
「オッケー！！」一美と二美は揃って返事をした。
一美と三美といずみと紀子以外の一行は、台所の横の、秘密のエレベーターで、地下二階の駐車場まで直行した。地下一階の駐車場が普通の駐車場で、地下二階には特別なゲートをくぐると、クルマで降りることが出来る。
広々としたスペースにオスプレイは駐まっていた。
「ひ、秘密基地？」総子は絶叫した。総子達が乗り込むと、操縦席に着いた二美は、「みんな、ベルト締めて！」と叫んだ。
エンジン音が鳴り響く中、頭上でも大きな音がして、やがて、天井が開いた。このマンションは裏山で、オスプレイが離陸する姿は、近所からは見えない。また、このマンションの住民は、全て三美の会社の社員なので、苦情が来ることもない。
オスプレイは緊急発進した。
一方、三美の運転する、真っ赤なフォードマスタングは、一路EITOに向かっていた。
午前１１時半。日本橋。旧百貨店別館前。暴徒と化した高校生達が暴れ回り、買い物客や観光客は遠巻きに見ていた。
出動した機動隊は、銃や機関銃を持っている高校生達の応戦に苦慮していた。
現場から少し離れた場所に、EITOエンジェルの格好をした総子、祐子、真知子、悦子、真美、今日子が次々とパラシュートで降り立った。
既にパトカーでやって来ていた横山刑事がメガホンで怒鳴った。
「EITOエンジェルが出動します、皆さん、道を空けて下さい。」
まるで、『モーゼの十戒』の映画のように、人の波は割れ、通路が出来た。
武装した、EITOエンジェルがそこを通り抜けた。
続いて、遅れてやって来たEITOエンジェル姿のぎん、稽古、ヘレンが電動キックボードで現れたので、慌てて横山刑事は彼女達を通した。
横山は、すぐに府警の一美に警察無線で連絡をした。「警部。配置に着きました。」
「了解。状況を見て、危険なようなら、警官隊ごと一線を下がらせて下さい。」
「了解しました。」
EITOエンジェル達は、まず高校生達にペッパーガンで集中攻撃をした。
ペッパーガンとは、EITOが開発した武器で、胡椒等の調味料を主成分とした丸薬を撃つ銃で、鉛の弾は入っていない。
高校生達はむせだした。そこへ、EITOエンジェル達はシューターを投げ、銃や機関銃を地面に落とした。
シューターとは、EITOが開発した、うろこ形の手裏剣で、先端は鋭くはないが、痺れ薬が塗ってある。バトルスティックの先端にも、この薬は塗られている。
そして、バトルスティックを持って、高校生達の背中を叩き、総子が広めた『手刀小手撃ち』で右手を叩いた。総子の合図で、警官隊は高校生達を逮捕連行し、拳銃等を押収した。総子達EITOエンジェルは、シューターをすぐに回収にかかった。
見物していた野次馬から、大きな拍手が起こった。そして、シューターを拾っている彼女達を見た外国人が回収を手伝い始めた。それを見た他の野次馬も回収を手伝った。
午後１時半。EITO大阪支部。
いち早く戻って来た、いずみ達が用意した弁当を、EITOエンジェル達は、着替えもせずに、貪るように食べていた。
「みんな、食いながら聞いてくれ。無事に、一人の死者も出さずに収束させたことは、驚異に値する、と府警から、お褒めの言葉を預かった。」
「コマンダー。府民に周知出来ましたね。」と、二美は言った。
「ああ。日本のマスコミだけやない。外国人観光客がSNSで拡散した。まだまだ、これからやけどな。いずみ。一美から連絡は？」「高校生達は全員、覚醒剤中毒だったらしいです。」
「そうか。これからは、こういう形の犯罪も増えるかも知れんな。今回はテロとは言えんが、バックにテロ組織がおるかも知れん。」と、大前は唸った。
「兄ちゃん。テラーサンタの可能性は？」」「あるかも知れんが、ないかも知れん。」
「もう。さっきから知れん知れんばっかりやんかあ。」と総子は膨れた。
「そう焦るな、総子。我々は、臨機応変に戦うのみや。メシ食って、ウンコしたら帰ってええぞ。」
「ウンコは余計や。」と、総子は大前にピコピコハンマーで頭を叩いた。
「怖い隊長やナア。」と、大前は呟き、皆は笑った。
総子にメールが届いていたが、総子は無視をした。
興信所の仕事の指示に違いないからである。今日は休みの日なのだが。
―完―
============== 主な登場人物 ================
南部（江角）総子・・・大文字伝子の従妹。南部興信所所長の妻。EITOエンジェルのチーフ。
大前英雄管理官・・・EITO大阪支部の管理官。コマンダー。総子からは『兄ちゃん』と呼ばれている。
足立祐子・・・EITO大阪支部メンバー。
石動悦子・・・ EITO大阪支部メンバー。
宇野真知子・・・ EITO大阪支部メンバー。
丘今日子・・・EITO大阪支部メンバー。看護担当。
河合真美・・・ EITO大阪支部メンバー。
北美智子・・・ EITO大阪支部メンバー。
久留米ぎん ・・・ EITO大阪支部メンバー。
小峠稽古 ・・・ EITO大阪支部メンバー。
指原ヘレン ・・・ EITO大阪支部メンバー。
愛川いずみ・・・EITO大阪支部メンバー。通信担当。
白井紀子・・・EITO大阪支部メンバー。資材・事務担当。
芦屋一美（ひとみ）警部・・・三つ子の芦屋三姉妹長女。大阪府警からの出向。総子からは『ひとみネエ』と呼ばれている。
芦屋二美（ふたみ）二曹・・・。三つ子の芦屋三姉妹の次女。陸自からの出向。総子からは『ふたみネエ』と呼ばれている。
芦屋三美（みつみ）・・・芦屋財閥総帥。総合商社芦屋会長。EITO大阪支部のスポンサー。総子からは『みつみネエ』と呼ばれている。
南部寅次郎・・・南部興信所所長。
横山鞭撻警部補・・・大阪府警の刑事。
= EITOとは、Emergency Information Against Terrorism Organizationを指す ＝
午前10時。総子のマンション。
「ごめんやで、みつみネエ。こんなええマンション。」総子は頭を下げた。
「いいのよ、私たち三姉妹はね、偶然あなたの闘いを見てからファンになったの。幾らでも『追っかけ』をやるわ。総子は私たちのアイドルですもの。」と、三美は平然と言った。
「流石、財閥の総帥様。賃貸マンションでも帝塚山やったら、一生かかっても借りられへんわあ。」と祐子が言い、隣にいる真知子が「コマンダーも腰抜かしてたわ。そんな事情があったんですね。」と、言った。
悦子が遠慮がちに、「あのー。車庫の奥、えらい広い様な気がするけど、外車並んでるんですかあ？」と三美に尋ねた。
「ああ。前はね。今はオスプレイを収納しているわ。EITO大阪支部が仮本部から正式支部に変わったら、移動する予定ではあるの。」
「え？ここから出撃するんですか？プールが左右に開いて・・・。」
真美の言葉に、「何で知ってるの？大前さんが、こういう形がかっこいいって言うから、そうしたんだけど。何か不都合ある？」と三美が応えた。
真美は今日子に小声で「えらいこと聞いてもうたわあ。」と言い、今日子は頷いた。
南部はかいがいしく動き、紅茶をリビングのテーブルに並べた。
「総帥。あ。いや、三美さん。正式支部って、どれくらいの大きさですか？」と美智子は三美に尋ねた。
「ああ。昔の日生球場くらいかな？って大前さんが言ってたけど、私達には、ちんぷんかんぷんいっきゅうさん、よ。」と、三美は笑ったが、皆ぎこちなく会釈するに留めただけだった。
しかし、「みつみネエ。それは、とんちんかんちんいっきゅうさん、やで。」と、トイレから出てきた総子が言ってのけた。
チャイムが鳴って、南部が出ると、一美と二美が立っていた。
「引っ越し、おめでとうございます。」と、一美がお土産を南部に渡した。
「おおきに。ありがとうございます。しかし、並んでみると、やっぱり似てるなあ。三つ子やからなあ。」と、南部は感心した。
いずみのスマホが鳴動した。「コマンダーだわ。」と、いずみはスピーカーをオンにした。
「みんな、事件や。休暇は終わりや。日本橋通りで、高校生達が拳銃持って暴れてる。そこからオスプレイで向かってくれ。いずみと紀子はEITO大阪支部に戻れ。」
「よっしゃ、皆行くで！・・・って、どう行ったらえんやろう？」総子は困った。
「いずみちゃんと紀子ちゃんは私がEITO大阪支部まで送るわ。一美ネエは府警に戻って。二美ネエは、オスプレイをお願い。」と、三美は言った。
「オッケー！！」一美と二美は揃って返事をした。
一美と三美といずみと紀子以外の一行は、台所の横の、秘密のエレベーターで、地下二階の駐車場まで直行した。地下一階の駐車場が普通の駐車場で、地下二階には特別なゲートをくぐると、クルマで降りることが出来る。
広々としたスペースにオスプレイは駐まっていた。
「ひ、秘密基地？」総子は絶叫した。総子達が乗り込むと、操縦席に着いた二美は、「みんな、ベルト締めて！」と叫んだ。
エンジン音が鳴り響く中、頭上でも大きな音がして、やがて、天井が開いた。このマンションは裏山で、オスプレイが離陸する姿は、近所からは見えない。また、このマンションの住民は、全て三美の会社の社員なので、苦情が来ることもない。
オスプレイは緊急発進した。
一方、三美の運転する、真っ赤なフォードマスタングは、一路EITOに向かっていた。
午前１１時半。日本橋。旧百貨店別館前。暴徒と化した高校生達が暴れ回り、買い物客や観光客は遠巻きに見ていた。
出動した機動隊は、銃や機関銃を持っている高校生達の応戦に苦慮していた。
現場から少し離れた場所に、EITOエンジェルの格好をした総子、祐子、真知子、悦子、真美、今日子が次々とパラシュートで降り立った。
既にパトカーでやって来ていた横山刑事がメガホンで怒鳴った。
「EITOエンジェルが出動します、皆さん、道を空けて下さい。」
まるで、『モーゼの十戒』の映画のように、人の波は割れ、通路が出来た。
武装した、EITOエンジェルがそこを通り抜けた。
続いて、遅れてやって来たEITOエンジェル姿のぎん、稽古、ヘレンが電動キックボードで現れたので、慌てて横山刑事は彼女達を通した。
横山は、すぐに府警の一美に警察無線で連絡をした。「警部。配置に着きました。」
「了解。状況を見て、危険なようなら、警官隊ごと一線を下がらせて下さい。」
「了解しました。」
EITOエンジェル達は、まず高校生達にペッパーガンで集中攻撃をした。
ペッパーガンとは、EITOが開発した武器で、胡椒等の調味料を主成分とした丸薬を撃つ銃で、鉛の弾は入っていない。
高校生達はむせだした。そこへ、EITOエンジェル達はシューターを投げ、銃や機関銃を地面に落とした。
シューターとは、EITOが開発した、うろこ形の手裏剣で、先端は鋭くはないが、痺れ薬が塗ってある。バトルスティックの先端にも、この薬は塗られている。
そして、バトルスティックを持って、高校生達の背中を叩き、総子が広めた『手刀小手撃ち』で右手を叩いた。総子の合図で、警官隊は高校生達を逮捕連行し、拳銃等を押収した。総子達EITOエンジェルは、シューターをすぐに回収にかかった。
見物していた野次馬から、大きな拍手が起こった。そして、シューターを拾っている彼女達を見た外国人が回収を手伝い始めた。それを見た他の野次馬も回収を手伝った。
午後１時半。EITO大阪支部。
いち早く戻って来た、いずみ達が用意した弁当を、EITOエンジェル達は、着替えもせずに、貪るように食べていた。
「みんな、食いながら聞いてくれ。無事に、一人の死者も出さずに収束させたことは、驚異に値する、と府警から、お褒めの言葉を預かった。」
「コマンダー。府民に周知出来ましたね。」と、二美は言った。
「ああ。日本のマスコミだけやない。外国人観光客がSNSで拡散した。まだまだ、これからやけどな。いずみ。一美から連絡は？」「高校生達は全員、覚醒剤中毒だったらしいです。」
「そうか。これからは、こういう形の犯罪も増えるかも知れんな。今回はテロとは言えんが、バックにテロ組織がおるかも知れん。」と、大前は唸った。
「兄ちゃん。テラーサンタの可能性は？」」「あるかも知れんが、ないかも知れん。」
「もう。さっきから知れん知れんばっかりやんかあ。」と総子は膨れた。
「そう焦るな、総子。我々は、臨機応変に戦うのみや。メシ食って、ウンコしたら帰ってええぞ。」
「ウンコは余計や。」と、総子は大前にピコピコハンマーで頭を叩いた。
「怖い隊長やナア。」と、大前は呟き、皆は笑った。
総子にメールが届いていたが、総子は無視をした。
興信所の仕事の指示に違いないからである。今日は休みの日なのだが。
―完―
