貢自身、気にしていたんだと分かり、わたしの中の迷いが消えた。自分の気持ちは、態度とかじゃなくてちゃんと言葉にしなきゃ伝わらないんだと。
「わたし、男の人を好きになったの初めてだから、貴方の気持ちはちゃんと言葉にして伝えてくれないと分かんないよ。だからここで改めて聞かせてほしい。ちゃんと貴方の想い、言葉にして言ってくれないかな」
「はい、……えっ!? す、好き? って、僕をですか?」
「…………だからそう言ってる。わたし、初めて会った日から貴方のことが好き。好き好き好きっ!」
途中からシャウトみたいになってしまい、言い終えた後にはゼイゼイと息を切らしていた。もっと可愛い告白のしかたもあったはずだけど、初めての告白だったわたしにそんなことを考えている余裕はなかった。
「……ありがとうございます、絢乃さん。じゃあ、僕もちゃんと言葉で伝えないと、あなたの気持ちにお応えできませんね。――僕も、絢乃さんのことが好きです。今までも恋愛はそれなりにしてきたはずですけど、それが全部絢乃さんに出会うための布石だと思ってしまうくらいに好きなんです。僕と、お付き合いして頂けますか? 僕をあなたの彼氏にして下さい。お願いします」
「はい……、喜んで。こちらこそ、これからもよろしくお願いします」
わたしは彼と気持ちが繋がり合ったことを確かめると、そこが大勢の人の前だということもお構いなしに彼の胸に飛び込んだ。彼もためらうことなくそれを受け止めて、わたしをギュッと抱きしめてくれた。
――それが、わたしと貢の関係が〝ただの上司と部下〟から〝恋人同士〟に変わった瞬間だった。
「……ねえ、わたしたちの関係って、会社内では秘密にしてた方がいい……のかな?」
そこでわたしはふと思った。職場恋愛自体は問題にならないと思うけれど、さすがに会長と秘書という間柄での恋愛関係となると、他の社員たちに示しがつかないんじゃないか、と。
「そうですよね……。僕は別に気にしなくていいと思いますけど、秘密の恋愛の方がスリルがあっていいと思います」
彼は無邪気に笑いながら、楽しそうにそう言った。
「わたし、男の人を好きになったの初めてだから、貴方の気持ちはちゃんと言葉にして伝えてくれないと分かんないよ。だからここで改めて聞かせてほしい。ちゃんと貴方の想い、言葉にして言ってくれないかな」
「はい、……えっ!? す、好き? って、僕をですか?」
「…………だからそう言ってる。わたし、初めて会った日から貴方のことが好き。好き好き好きっ!」
途中からシャウトみたいになってしまい、言い終えた後にはゼイゼイと息を切らしていた。もっと可愛い告白のしかたもあったはずだけど、初めての告白だったわたしにそんなことを考えている余裕はなかった。
「……ありがとうございます、絢乃さん。じゃあ、僕もちゃんと言葉で伝えないと、あなたの気持ちにお応えできませんね。――僕も、絢乃さんのことが好きです。今までも恋愛はそれなりにしてきたはずですけど、それが全部絢乃さんに出会うための布石だと思ってしまうくらいに好きなんです。僕と、お付き合いして頂けますか? 僕をあなたの彼氏にして下さい。お願いします」
「はい……、喜んで。こちらこそ、これからもよろしくお願いします」
わたしは彼と気持ちが繋がり合ったことを確かめると、そこが大勢の人の前だということもお構いなしに彼の胸に飛び込んだ。彼もためらうことなくそれを受け止めて、わたしをギュッと抱きしめてくれた。
――それが、わたしと貢の関係が〝ただの上司と部下〟から〝恋人同士〟に変わった瞬間だった。
「……ねえ、わたしたちの関係って、会社内では秘密にしてた方がいい……のかな?」
そこでわたしはふと思った。職場恋愛自体は問題にならないと思うけれど、さすがに会長と秘書という間柄での恋愛関係となると、他の社員たちに示しがつかないんじゃないか、と。
「そうですよね……。僕は別に気にしなくていいと思いますけど、秘密の恋愛の方がスリルがあっていいと思います」
彼は無邪気に笑いながら、楽しそうにそう言った。