なぜだか目の前で笑い出した彼女。
先程から笑っているばかりでもはや怖い。

さっきも、いつもなら倍になって返ってくるし、
面倒臭いのに今日は特に何も言われなかった。


ということはもしかして、
「ついに頭おかしくなったの!?」

そう言った瞬間すごい勢いで拳が飛んできた。
というか、''の''と同時だった気がする。


「おっと、外しちゃったかー」

そう言って呑気に、何事もなかったように
話し出す。



「ホントに当てる気だったの!?」
「当たり前でしょ」

僕の疑問に当たり前だと言わんばかりに、
答える彼女。

「病人だとは思えないパワフルさだね」
「褒めてる?」

勿論褒めてないが、いいえなんて答えたら
また拳が飛んでくるかもしれない。


安全策を取るために、「勿論褒めてるよ」と
満面の笑みで答えた。


「ふーん?」

明らかに疑われているが、
それ以上何も言ってこなかった。