「好きだよ、旭。今までもずっと好きだったけど、これからもずっと好きだよ」

「っ!!?」


慌てふためく様子が、可笑しくて仕方がない。そしてまたお留守になっていた旭の手元で、デデーンとゲームオーバーの音がする。


「またゲームオーバー」

「お、お、お前が変なこと言うからだろ!!!」

「変なことなんか一つも言ってないけど?それよりさ、お腹空かない?ラーメン食べに行こうよ」

「ら、らーめん?……このタイミングで?」


旭は、意識すると固くなる。それは蒼真の兄に対する態度を見ているとよくわかる。
意識はしてほしい。でも、変に固くなった態度で接して欲しくはない。

だからそんな旭には、当人が困惑するくらいいつも通りに接するのがいい。
いつも通りの中に少しずつ、いつもとは違う部分を織り交ぜるのがいい。

なにせもう蒼真には、旭へのアプローチを我慢する理由などないのだから。