「いつものとこにする?それとも新規開拓してみる?」

「……それより、さっきの話は、その……あ、あれで終わりでいいのか」

「なに?今すぐ返事出来るの?」


立ち上がって財布とスマートフォンをスラックスのポケットに押し込みながら、蒼真は問い返す。
それに対して、なぜか話を振った方の旭が慌てふためいた。


「そ、そんなにすぐ出来るわけないだろ!!」

「自分で言ったくせに」

「返事するとは言ってない!」

「はいはい、じゃあ行くよ」

「あ、おい!ちょっと待て蒼真」


追いかけてくる旭と、二人でラーメン屋を目指して歩く。

大学は同じところに行きたいねとか、その時は一緒に住む?なんて話をしてみたら、みるみる旭の顔が赤くなって、兄の話をしている時に負けないくらいになって、それだけで蒼真はとてもいい気分だった。