僕だけが別の部屋に連れていかれて、この国の国王になって欲しいとお願いをされた。僕が王族だからそうなるのはわかるが、僕には少し荷が重過ぎると思う。
だが、後日国民投票を行った結果、僕がダントツで票が多かったらしい。これで僕が国王になることは確定してしまった。今更辞退するはけにはいかない。僕は覚悟を決めて、以前城に集まった者たちを招集した。そして僕が王になったことを告げ、この情報をほかの民に知らせることを命じた。
そして何日か経って、僕が王座に正式に座る日がやってきた。王座に座るには新しい名前が必要だ。だから次の名前は僕が決めた
レイ・スノウレア
そして拍手喝采の中、戴冠式が執り行われた。
その日の夜にはパーティが開催された。城の関係者や貴族たちが集まってとても賑やかだった。
酔いが回って暑くなってきたため、テラスに出て夜風に当たっていた。すると、ルカが僕のところに近寄って来た。そしてこういった
「レイ殿下、おめでとうございます」
あまりにもルカがニコニコしていたため、照れくさくなって少し俯いてしまった。
「ありがとう」
と、言いながらルカの顔を見ると、先程の表情と違い少し驚いたような顔をして僕のことを見ていた。僕は少しびっくりして、恐る恐る
「どうしたんだ?」
と、聞くとハッしてまたニコニコと笑いながらいった。
「あ、いえ、今日は、とても月が綺麗だなぁ、と思っただけです」
くるりと後ろを向いて夜空を見上げると、そこには宝石のように輝く満月があった。
「わぁ、本当だ。とても綺麗だね」
そうやってしばらく星を眺めていると、教会の鐘がなった。
「もう0時か、楽しい時間は早く過ぎるな」
「ええ、そろそろお開きの時間ですね」
急いで部屋に戻ってパーティを終わらせた。
コンコンッ扉をたたく
「ミユです!失礼します」
メイドのミユが扉を開ける。紅茶とクッキーをトレーに乗せて休憩を促しに来たようだ。
「レイ様、たまには休憩しないと体に毒ですよ」
少し困ったような顔で言う。
「うん、わかってるよ。でも、今日は仕事の量が多いんだよ」
手を動かしながら言った。
「またあの事件のことですか?」
横にいたルカが聞いてきた。
「ああ、でも犯人の足取りは掴めてきたしあと少しだよ」
「犯人が許せませんね、誘拐するだけでなく、あんな残酷な殺し方するんですから」
怒りながら言った。
「ああ、ほんとそうだよね。早く犯人が見つかるといいけど」
「それより、お前いいのかこんなところで喋ってて、さっきユウがー」
「ユウです、失礼します」
ユウが部屋に入ってきた。
「あ、ミユ、ここにいたのね!終わったらすぐ戻って来てって言ったのに」
そう言ってミユの腕を掴んだ。
「あ、ヤバっ!」
「ちょユウごめんって、痛いから腕引っ張らないで〜」
そう言いながらユウに連れていかれた。
「失礼しました!!」
力強く扉を閉めて遠ざかっていった。
「あはは、2人とも仲良しだね!」
「そうですか?俺にはよく分からないんですけど」
「...だって、2人で紅茶に毒なんて入れちゃうんだから」
紅茶の入ったカップの飲み口をなぞりながら言う。
「え!全然気づきませんでした...」
「まあ、彼女たちは、前の王のために作られた暗殺のプロだからね...
ロウソクのない部屋の中を月明かりが照らす。窓際に座り、静かに本を読む。すると、コンコンっと扉をノックする音がした。
「アイです。失礼します」
アイが来たみたいだ。
「入って」
アイはいつも目隠しをしているが、今日は頭から黒い布を被っていた。
「どうしたの?こんな遅くに」
そう言うと彼は
「こんな遅くに申し訳ございません。なかなか眠りに付けなかったので...」
恥ずかしそうに小さな声で言った。
「ううん、僕もちょうど寝れなかったし、気にしなくていいよ」
クスッと笑いながら言う。
「あのっ、レイ様、僕っ、本当はこんなふうに、再会することが出来てとても嬉しかったです... 」
顔をパッとあげて言った。
「アイ...僕もそう思ってた。またあえて凄く嬉しい...」
両手を広げて、ハグをするように促す。すると彼は戸惑いながらも僕に抱きついた。
「今だけは...昔に戻ってもいいですか...」
「うん、僕もそう言おうと思ってた」
すると、彼は泣きながら僕にこういった。
「兄さんが...いない中、戦争が起こって、怖かった...もう二度と会えないんじゃないか、って考えたら、すごく不安だった...」
彼の声は震えていて、風の音にかき消されてしまいそうなほど弱々しかった。
うん、うんと、相槌を打ちながら頭を優しく撫でる。
しばらくすると落ち着いて来て泣き疲れたのかウトウトしていた。
「辛かったことは全て終わった。だから今は、安心してお眠り...」
もうほとんど聞こえていないだろう、でもそういうとアイは安心したように眠りについた。
ー様、レイ様。朝ですよ、起きてください!」
ユウがいつもどうり僕を起こしに来た。カーテンを開けて暗い部屋に光を入れる。
「おはようございます。レイ様」
「うん、おはよう、ユウ」
僕が挨拶すると、お辞儀して失礼しますと言って。部屋を出ていった。支度をして大聖堂へ向かうと、みんなが集まっていた。いつものように神に祈りを捧げる。
『神よ、どうか我らをお守りください』
目を閉じて、跪く。
職務質の椅子に座って仕事を始める。
「レイ様、今日の予定は8時半から10時まで大臣とのミーティング、10時15分から昼食までの間面会があります。あと、午後からSランク害獣駆除の申請が入りました」
ルカが今日の予定を読み上げる。
「ありがとうルカ、下がって」
「はい」
椅子から立ち上がり会議室に向かうと、みんなが集まっていた。
「これより、ミーティングを始めるー
ーという政策で宜しいでしょうか」
「ああ、これでミーティングを終了する」
椅子から立ち上がり面会室に向かった。面会室の小さな椅子に座ると、扉が開いて人が1人ずつ入ってくる。
昼食を食べ終わり、職務室の椅子に腰をかけ大きく背伸びをする。
だが、後日国民投票を行った結果、僕がダントツで票が多かったらしい。これで僕が国王になることは確定してしまった。今更辞退するはけにはいかない。僕は覚悟を決めて、以前城に集まった者たちを招集した。そして僕が王になったことを告げ、この情報をほかの民に知らせることを命じた。
そして何日か経って、僕が王座に正式に座る日がやってきた。王座に座るには新しい名前が必要だ。だから次の名前は僕が決めた
レイ・スノウレア
そして拍手喝采の中、戴冠式が執り行われた。
その日の夜にはパーティが開催された。城の関係者や貴族たちが集まってとても賑やかだった。
酔いが回って暑くなってきたため、テラスに出て夜風に当たっていた。すると、ルカが僕のところに近寄って来た。そしてこういった
「レイ殿下、おめでとうございます」
あまりにもルカがニコニコしていたため、照れくさくなって少し俯いてしまった。
「ありがとう」
と、言いながらルカの顔を見ると、先程の表情と違い少し驚いたような顔をして僕のことを見ていた。僕は少しびっくりして、恐る恐る
「どうしたんだ?」
と、聞くとハッしてまたニコニコと笑いながらいった。
「あ、いえ、今日は、とても月が綺麗だなぁ、と思っただけです」
くるりと後ろを向いて夜空を見上げると、そこには宝石のように輝く満月があった。
「わぁ、本当だ。とても綺麗だね」
そうやってしばらく星を眺めていると、教会の鐘がなった。
「もう0時か、楽しい時間は早く過ぎるな」
「ええ、そろそろお開きの時間ですね」
急いで部屋に戻ってパーティを終わらせた。
コンコンッ扉をたたく
「ミユです!失礼します」
メイドのミユが扉を開ける。紅茶とクッキーをトレーに乗せて休憩を促しに来たようだ。
「レイ様、たまには休憩しないと体に毒ですよ」
少し困ったような顔で言う。
「うん、わかってるよ。でも、今日は仕事の量が多いんだよ」
手を動かしながら言った。
「またあの事件のことですか?」
横にいたルカが聞いてきた。
「ああ、でも犯人の足取りは掴めてきたしあと少しだよ」
「犯人が許せませんね、誘拐するだけでなく、あんな残酷な殺し方するんですから」
怒りながら言った。
「ああ、ほんとそうだよね。早く犯人が見つかるといいけど」
「それより、お前いいのかこんなところで喋ってて、さっきユウがー」
「ユウです、失礼します」
ユウが部屋に入ってきた。
「あ、ミユ、ここにいたのね!終わったらすぐ戻って来てって言ったのに」
そう言ってミユの腕を掴んだ。
「あ、ヤバっ!」
「ちょユウごめんって、痛いから腕引っ張らないで〜」
そう言いながらユウに連れていかれた。
「失礼しました!!」
力強く扉を閉めて遠ざかっていった。
「あはは、2人とも仲良しだね!」
「そうですか?俺にはよく分からないんですけど」
「...だって、2人で紅茶に毒なんて入れちゃうんだから」
紅茶の入ったカップの飲み口をなぞりながら言う。
「え!全然気づきませんでした...」
「まあ、彼女たちは、前の王のために作られた暗殺のプロだからね...
ロウソクのない部屋の中を月明かりが照らす。窓際に座り、静かに本を読む。すると、コンコンっと扉をノックする音がした。
「アイです。失礼します」
アイが来たみたいだ。
「入って」
アイはいつも目隠しをしているが、今日は頭から黒い布を被っていた。
「どうしたの?こんな遅くに」
そう言うと彼は
「こんな遅くに申し訳ございません。なかなか眠りに付けなかったので...」
恥ずかしそうに小さな声で言った。
「ううん、僕もちょうど寝れなかったし、気にしなくていいよ」
クスッと笑いながら言う。
「あのっ、レイ様、僕っ、本当はこんなふうに、再会することが出来てとても嬉しかったです... 」
顔をパッとあげて言った。
「アイ...僕もそう思ってた。またあえて凄く嬉しい...」
両手を広げて、ハグをするように促す。すると彼は戸惑いながらも僕に抱きついた。
「今だけは...昔に戻ってもいいですか...」
「うん、僕もそう言おうと思ってた」
すると、彼は泣きながら僕にこういった。
「兄さんが...いない中、戦争が起こって、怖かった...もう二度と会えないんじゃないか、って考えたら、すごく不安だった...」
彼の声は震えていて、風の音にかき消されてしまいそうなほど弱々しかった。
うん、うんと、相槌を打ちながら頭を優しく撫でる。
しばらくすると落ち着いて来て泣き疲れたのかウトウトしていた。
「辛かったことは全て終わった。だから今は、安心してお眠り...」
もうほとんど聞こえていないだろう、でもそういうとアイは安心したように眠りについた。
ー様、レイ様。朝ですよ、起きてください!」
ユウがいつもどうり僕を起こしに来た。カーテンを開けて暗い部屋に光を入れる。
「おはようございます。レイ様」
「うん、おはよう、ユウ」
僕が挨拶すると、お辞儀して失礼しますと言って。部屋を出ていった。支度をして大聖堂へ向かうと、みんなが集まっていた。いつものように神に祈りを捧げる。
『神よ、どうか我らをお守りください』
目を閉じて、跪く。
職務質の椅子に座って仕事を始める。
「レイ様、今日の予定は8時半から10時まで大臣とのミーティング、10時15分から昼食までの間面会があります。あと、午後からSランク害獣駆除の申請が入りました」
ルカが今日の予定を読み上げる。
「ありがとうルカ、下がって」
「はい」
椅子から立ち上がり会議室に向かうと、みんなが集まっていた。
「これより、ミーティングを始めるー
ーという政策で宜しいでしょうか」
「ああ、これでミーティングを終了する」
椅子から立ち上がり面会室に向かった。面会室の小さな椅子に座ると、扉が開いて人が1人ずつ入ってくる。
昼食を食べ終わり、職務室の椅子に腰をかけ大きく背伸びをする。