放課後、反省文を書いていると、落居と十島がそばに立った。
「珍しいな。要領のいいお前が」
「まあ、成果はあったし、いいけど」
「それって、もしかしてっ?」
「返事があったんだ。とりあえず、会えることになった」
「すごいっ。凛音ちゃんが引き受けてくれるなんてっ!」
「凛音って――芦川凛音っ?何で?どういうことだよ」
落居の地声は常人より三デシベルほど大きい。
そのひと声に、周囲にいた数人が圭太のそばに集まる。
止める間もなく、頬を紅潮させた十島が早口に事情の説明を始め、終わると歓声が起こった。
それがさらに人を呼び寄せる。
気づいたときには、クラス中に知れ渡っている状況だった。
「紹介ページに出てくれるの?」「当日、ちょっとだけでも来てもらえないかな」「会えたらプロポーズしたいっ」
文化祭の一件で、険悪だったはずのクラスがいつの間にか結束していた。改めて芸能人の威力を思い知る。
落居と十島とともに教室を出る頃には、長坂コールが起きていた。
「一躍有名人になったな」
「長坂くん、大丈夫なんだよね。引き受けてもらえるんだよね」
「やれるだけはやってみるけど」
翌日は終業式だというのに――こんなに落ち着かない夏休み前は初めてだった。
「珍しいな。要領のいいお前が」
「まあ、成果はあったし、いいけど」
「それって、もしかしてっ?」
「返事があったんだ。とりあえず、会えることになった」
「すごいっ。凛音ちゃんが引き受けてくれるなんてっ!」
「凛音って――芦川凛音っ?何で?どういうことだよ」
落居の地声は常人より三デシベルほど大きい。
そのひと声に、周囲にいた数人が圭太のそばに集まる。
止める間もなく、頬を紅潮させた十島が早口に事情の説明を始め、終わると歓声が起こった。
それがさらに人を呼び寄せる。
気づいたときには、クラス中に知れ渡っている状況だった。
「紹介ページに出てくれるの?」「当日、ちょっとだけでも来てもらえないかな」「会えたらプロポーズしたいっ」
文化祭の一件で、険悪だったはずのクラスがいつの間にか結束していた。改めて芸能人の威力を思い知る。
落居と十島とともに教室を出る頃には、長坂コールが起きていた。
「一躍有名人になったな」
「長坂くん、大丈夫なんだよね。引き受けてもらえるんだよね」
「やれるだけはやってみるけど」
翌日は終業式だというのに――こんなに落ち着かない夏休み前は初めてだった。