ジャスミン 悪女と噂され王妃になった令嬢
グリオン  若き王、妻王妃の死で暴君となる
ローズ   ジャスミンの従姉妹
ウッド   ジャスミンの父親
ガウィン  大公


舞踏会の日貴族令嬢が集まる中、国王グリオンは戸惑いに溢れていた
何かを見つけた思い、その何かを手放せない強い執着、妃が居る、この舞踏会に
『妃を見付けた時、獣の血に振り回されるな』
先代父王の言葉が脳裏に響く
セレニタティスの王は側室を迎えない、生涯一人の伴侶である。
自分の伴侶がここに居るそれは確信していた
広間に入ると皆が挨拶する
その中に彼女がいた。
紺色の髪に青い目、そしてサファイアのドレス
『彼女が自分の伴侶だ』
グリオンは一目散に彼女の元へ行く
皆は思う聖女の所だと、しかしグリオンの手を差
し伸べたのは悪女と言われてる聖女の従姉妹であった。
「私の青いジャスミン」
戸惑いの中ダンスを行う
『何故聖女ではなく悪女と陛下が踊るのよ』
従姉妹のローズは怒りに溢れる
『どうしてジャスミンが選ばれるのよ!
私が陛下に選ばれるべきなのに!』
ローズの父親、ウッドも怒りが溢れる
陛下のファーストダンスは未来の王妃と言われてる、それが娘ローズではなく、どこの馬とわからぬ男の子を生んだ姉の娘
力も無ければ無能の娘
『何故娘を選ばれなかった!』
ダンスが終えてもグリオンはジャスミンから離そうとしない
令嬢達を完全にスルーしジャスミンしか見ていない
ジャスミンは無表情で無言を貫いてる
『わらえばいいのに笑いもしない』

グリオンは部屋へ案内しジャスミンを休ませる
「陛下、彼女は悪女ですよ!」 
「何を見て悪女と言うんだ、彼女は悲しみに溢れてる」
悪女が悲しみに溢れてるはずがない
彼女を無理矢理王妃宮に住まわせるとドレスやアクセサリーを求めグリオンは送り続けたが半年後、彼女は死んだ
与えたドレスやアクセサリーは一切なくボロボロの服を着せられ横たわるジャスミン
死因は疲労と栄養失調だった
グリオンはボロボロの彼女の手を握り泣いた。
それからグリオンは喪に服し、葬儀が終えても黒い服を着て過ごし、舞踏会に出ようとせず、王妃宮の使用人を全員捕らえ殺した
王妃にと言う貴族や令嬢達、その中にローズもいた
そして大公の自殺、その遺産はグリオンになっていた
そしてグリオンは反乱軍により殺され、その時もジャスミンの棺に縋っていた
グリオンはジャスミンしか愛せなかっただけなのだ。