「伝えてたじゃん、ずっと。眞由が一番で、眞由だけいればよくって、眞由のことが好きだって」
奥野の困惑気味の反応に、若菜がむすっとした顔で言う。それから、不意に不安そうな顔になって
「……眞由は、おれのこと嫌い?」
見ているこっちの胸が、きゅっと引き絞られるような表情。その顔は、反則だ。
「……嫌いなわけ、ないでしょ。……僕の方が、ずっと…………」
その先は、やっぱり言えなかった。だってこんな状況でも、やっぱり若菜の言葉に自信が持てないから。どこかで、自分の想いとは違うのだとブレーキをかけてしまうから。
長年秘め続けたために癖付いたものは、そう簡単には消えない。
それでも若菜は、最後まで言えなかった奥野を見つめて、ふにゃっと目元をとろかせて笑った。
「知ってる。でも、おれの方がずっとずっと大好きだよ」
そこは競うところではないだろうと思うのだが、そんなことを言い返す余裕が奥野にはない。
奥野の困惑気味の反応に、若菜がむすっとした顔で言う。それから、不意に不安そうな顔になって
「……眞由は、おれのこと嫌い?」
見ているこっちの胸が、きゅっと引き絞られるような表情。その顔は、反則だ。
「……嫌いなわけ、ないでしょ。……僕の方が、ずっと…………」
その先は、やっぱり言えなかった。だってこんな状況でも、やっぱり若菜の言葉に自信が持てないから。どこかで、自分の想いとは違うのだとブレーキをかけてしまうから。
長年秘め続けたために癖付いたものは、そう簡単には消えない。
それでも若菜は、最後まで言えなかった奥野を見つめて、ふにゃっと目元をとろかせて笑った。
「知ってる。でも、おれの方がずっとずっと大好きだよ」
そこは競うところではないだろうと思うのだが、そんなことを言い返す余裕が奥野にはない。