「あ、飲み物切れそうだし買ってこよっかな?」
「あ、じゃあ俺着いてくよ」
「俺も。一声は歩咲ちゃんと守っててよ」
蒼菜が立ち上がると望月くんを除いた二人が後を追った。あれなら心配もないだろうと私は頂いたおにぎりを頬張る。
「おにぎり好きなんだ?」
「そうだよ」
「姉妹なんだな」
「そうだね」
素っ気ない返事になっていることに気付いたが、やめる気もないし背を向けてやった。「星村?」と戸惑った声で問いかけられた。
「ナンパしにきたんだ。望月くん、そんなことするんだね」
「あー違う違う、無実。あの二人に誘われたんだ」
「でもノコノコ着いてきたんだ」
「うん、まあ、俺が別れたことあの二人も知ってるから誘ってくれたんだ。無下には出来ないだろ」
ちらりと望月くんの方を振り向くと、目を伏せていて、夢で見たあの日の望月くんを思い出した。私は彼に向き直ると「ごめん」と頭を下げる。
「何か、私の中の望月くんって誠実な人だからナンパなんて汚いことするんだって思って」
「……どうだろ、俺は誠実じゃないよ。星村の言うように、汚い人間かも」
思わず顔を上げた。らしくない返答と投げやりな言い方に驚いた。彼は相変わらず目を伏せ、口元に笑みを浮かべているが、笑みというよりは歪めた形で言葉を紡ぐ。
「星村が思ってるような人間じゃないよ」
「そんなの」
「俺のこと、何にも知らないくせに」
ようやく合わせた目は、暗く淀んでいて、私は何も返せなかった。何を言えばいいのか分からず、でも何かを言いたくて、言葉を詰まらせていると、望月くんは明るく笑った。
「あ、じゃあ俺着いてくよ」
「俺も。一声は歩咲ちゃんと守っててよ」
蒼菜が立ち上がると望月くんを除いた二人が後を追った。あれなら心配もないだろうと私は頂いたおにぎりを頬張る。
「おにぎり好きなんだ?」
「そうだよ」
「姉妹なんだな」
「そうだね」
素っ気ない返事になっていることに気付いたが、やめる気もないし背を向けてやった。「星村?」と戸惑った声で問いかけられた。
「ナンパしにきたんだ。望月くん、そんなことするんだね」
「あー違う違う、無実。あの二人に誘われたんだ」
「でもノコノコ着いてきたんだ」
「うん、まあ、俺が別れたことあの二人も知ってるから誘ってくれたんだ。無下には出来ないだろ」
ちらりと望月くんの方を振り向くと、目を伏せていて、夢で見たあの日の望月くんを思い出した。私は彼に向き直ると「ごめん」と頭を下げる。
「何か、私の中の望月くんって誠実な人だからナンパなんて汚いことするんだって思って」
「……どうだろ、俺は誠実じゃないよ。星村の言うように、汚い人間かも」
思わず顔を上げた。らしくない返答と投げやりな言い方に驚いた。彼は相変わらず目を伏せ、口元に笑みを浮かべているが、笑みというよりは歪めた形で言葉を紡ぐ。
「星村が思ってるような人間じゃないよ」
「そんなの」
「俺のこと、何にも知らないくせに」
ようやく合わせた目は、暗く淀んでいて、私は何も返せなかった。何を言えばいいのか分からず、でも何かを言いたくて、言葉を詰まらせていると、望月くんは明るく笑った。