───愛のカタチ、恋のカタチ───
暫くショッピングモールを回り、互いに荷物も増えて来た頃
ベンチに座り、光はスマホで家族に遅くなる旨のメッセージを送って居る。
その間に僕は光に似合いそうなストラップを見つけ、買いに走っていた。
「お待たせ」
「待ったよー。なぁーなぁー」
「んー?」
「プレゼント買えた?」
「あぁ、買えたよ。はい、誕生日おめでとう光」
ラッピングを剥がし、ストラップを見た光が興奮気味にお礼を言う。
「ありがとう!雅!」
「どういたしまして」
「絶対通学鞄に付けて自慢する!」
「おーそうしてくれ」
「うん!」
そうしてこの日は解散した。
そして一週間後、テストの存在に気付いた光からのメッセージで光の家でテスト勉強会を開くことになった。
「お邪魔します」
「あらーいらっしゃい!ゆっくりしてってね♪」
性格が光そっくりな母親とゴールデンレトリバーが僕を出迎える。
「光、お前犬飼ってたんだな」
「おぅ!ゴールデンレトリバーのルデンっていうんだ」
「へー、オス?メス?」
「オス!」
そんな他愛ない会話をしながら、勉強道具を広げると気合いを充分に蓄えた光が来て勉強会が始まった。
「なぁーなぁーこの"月が綺麗"って告白あるじゃん?」
僕は教科書を読む。
が、そんな文はどこにも記されてはいなかった。
「どこだ?」
前のめりで光に聞くと
「ほら、ここ。これって照れくさいから言葉を変えて告白したのかな?」
光は教科書の真ん中辺りをトントンと叩く。
「どこにも無いぞ」
と、光に顔を近づけて光が指す箇所を見る。
が、やはりどこにも"月が綺麗ですね"なんて文はなかった。
「やっぱりどこにもな…うおっ!」
いきなり顔を近づけて来た光にドキッとしながら僕は光がした質問に答えた。
「いいから質問に答えて!」
「…いや、それよりも驚かすなよ。まぁ、それもあるんだろうけど、"I Love You"を"我が君愛す"って略して日本人はそんなストレートな性格じゃない"月が綺麗ですねと言いなさい"って言ったのが始まりだろ?」
「そうだったんだな!へーお洒落な言い回しだよなー」
「そうだな…で、こんな話を振ったのは何でだ?」
「読書感想文で読んだ本に書いてあったんだ。んで、雅ならなんて略するのかなって気になったんだ」
「なるほどな」
「で?どう略する?」
「秘密」
「え〜?!そりゃあないだろー!」
「はいはい、続きやるぞー」
そんなこんなで光はどんどんと知識を蓄えていった。
そんなテスト勉強会最後の日、別れ際に光からメッセージが届いた。
"なぁ、通話してもいい?"
"いいけど、どうした?"
別にメッセージでもいいじゃないか?などと思いながら光から電話がかかって来たのでスマホを取り、耳に当てた。
『もしもし、雅?』
『もしもし、どうした?』
『今、外見れるか?』
『見れるけど…何だよ?』
『まぁまぁ、見てみろって…月が綺麗だから』
『月?』
僕は光の指示通りにベランダに出て月を見上げた。
『…あぁ、綺麗だな』
『だろ?あ、そうだ』
『どうした?』
『月が綺麗ですね。雅』
『…?そうだな』
『…解ってないなぁー。告白だよ』
『え!?告白!?何で??』
『俺は雅が好きだ。…本気だからな?』
『え??』
僕が返事をする前に光は通話を切り、スマホからは規則的なツーツーという音だけが流れていた。
「何だったんだよ…?」
暫くショッピングモールを回り、互いに荷物も増えて来た頃
ベンチに座り、光はスマホで家族に遅くなる旨のメッセージを送って居る。
その間に僕は光に似合いそうなストラップを見つけ、買いに走っていた。
「お待たせ」
「待ったよー。なぁーなぁー」
「んー?」
「プレゼント買えた?」
「あぁ、買えたよ。はい、誕生日おめでとう光」
ラッピングを剥がし、ストラップを見た光が興奮気味にお礼を言う。
「ありがとう!雅!」
「どういたしまして」
「絶対通学鞄に付けて自慢する!」
「おーそうしてくれ」
「うん!」
そうしてこの日は解散した。
そして一週間後、テストの存在に気付いた光からのメッセージで光の家でテスト勉強会を開くことになった。
「お邪魔します」
「あらーいらっしゃい!ゆっくりしてってね♪」
性格が光そっくりな母親とゴールデンレトリバーが僕を出迎える。
「光、お前犬飼ってたんだな」
「おぅ!ゴールデンレトリバーのルデンっていうんだ」
「へー、オス?メス?」
「オス!」
そんな他愛ない会話をしながら、勉強道具を広げると気合いを充分に蓄えた光が来て勉強会が始まった。
「なぁーなぁーこの"月が綺麗"って告白あるじゃん?」
僕は教科書を読む。
が、そんな文はどこにも記されてはいなかった。
「どこだ?」
前のめりで光に聞くと
「ほら、ここ。これって照れくさいから言葉を変えて告白したのかな?」
光は教科書の真ん中辺りをトントンと叩く。
「どこにも無いぞ」
と、光に顔を近づけて光が指す箇所を見る。
が、やはりどこにも"月が綺麗ですね"なんて文はなかった。
「やっぱりどこにもな…うおっ!」
いきなり顔を近づけて来た光にドキッとしながら僕は光がした質問に答えた。
「いいから質問に答えて!」
「…いや、それよりも驚かすなよ。まぁ、それもあるんだろうけど、"I Love You"を"我が君愛す"って略して日本人はそんなストレートな性格じゃない"月が綺麗ですねと言いなさい"って言ったのが始まりだろ?」
「そうだったんだな!へーお洒落な言い回しだよなー」
「そうだな…で、こんな話を振ったのは何でだ?」
「読書感想文で読んだ本に書いてあったんだ。んで、雅ならなんて略するのかなって気になったんだ」
「なるほどな」
「で?どう略する?」
「秘密」
「え〜?!そりゃあないだろー!」
「はいはい、続きやるぞー」
そんなこんなで光はどんどんと知識を蓄えていった。
そんなテスト勉強会最後の日、別れ際に光からメッセージが届いた。
"なぁ、通話してもいい?"
"いいけど、どうした?"
別にメッセージでもいいじゃないか?などと思いながら光から電話がかかって来たのでスマホを取り、耳に当てた。
『もしもし、雅?』
『もしもし、どうした?』
『今、外見れるか?』
『見れるけど…何だよ?』
『まぁまぁ、見てみろって…月が綺麗だから』
『月?』
僕は光の指示通りにベランダに出て月を見上げた。
『…あぁ、綺麗だな』
『だろ?あ、そうだ』
『どうした?』
『月が綺麗ですね。雅』
『…?そうだな』
『…解ってないなぁー。告白だよ』
『え!?告白!?何で??』
『俺は雅が好きだ。…本気だからな?』
『え??』
僕が返事をする前に光は通話を切り、スマホからは規則的なツーツーという音だけが流れていた。
「何だったんだよ…?」