─── 告白 翼side ───
真陽に告白された時から俺の頭の中は真陽のことで一杯だった。
俺はあの日以来真陽が魅せるドSな一面のギャップが凄すぎて戸惑っていた。
「翼」
「紗綾」
「久しぶり」
「あぁ」
「あの子と最近どう?」
「あの子って?」
「ほら、小さな男の子と仲良かったじゃない」
真陽のことかなと思いながら俺は返事を返す。
「まぁ、普通に仲良くやってるよ」
「ふーん」
「なんだよ?」
「別にー?それよりさ」
「ん?」
「…あたしがここで今、告白したらどうする?」
「断る」
「即決だねー…やっぱり脈ナシってこと?」
「あぁ」
「まだ諦めないとか言っても無駄ってこと?」
「あぁ」
「…そっか、わかった」
そして紗綾は"あたしだって翼より良い男捕まえてみせるから"と今にも泣き出しそうな笑顔で決意表明をし、去って行った。

"会いませんか?"
と真陽からLINEが来たのは紗綾と別れた日の夜だった。
"会いたい。いつ会える?"
"今から"
真陽からの返信に心躍らせながら
"おけ、集合場所どうする?"
"学校の正門でどうですか?"
"わかった"
そして俺は少し肌寒い冬の夜空の下学校へ向けて走り出した。

「真陽!お待たせ、待ったか?」
「全然待ってないですよ。早く行きましょ、ここじゃ先生に見つかっちゃう」
「だな」
そしてふたりして自転車で学校に来たのに何故か自然と自転車を押して学校から真陽の自宅へ向けて歩き出していた。

真陽の自宅に着くと真陽は俺を家の中へと招き入れると真陽は玄関の戸締りをするや否や俺を真陽の自室へと案内する。
「へー真陽の部屋は相変わらず綺麗だな」
などと呟いていると後ろから真陽にバックハグをされる。
「真、真陽?!」
「先輩、僕いつまでもお返事待ってるって言ったのに…不安で仕方ないです…急かしちゃってごめんなさい」
「…だよな、やっぱり…不安だよな…でも、気持ちの整理が出来てねぇんだ…どうしたらいい…?」
「僕と付き合うって言ってください」
「そんなこと即決出来るわけ…」
「先輩は文化祭準備の時寂しかったですか?」
「…寂しかった」
何度も保健室に戻ってしまいそうになった。
真陽に会いたくなった。
「じゃあ、それが答えですね」
「…あぁ、そうだな…そっか恋しかったんだ俺」
「はい…僕も先輩が恋しかったです」