───作戦会議 真陽side ───
「きぃやん先生」
「どした?」
「…僕、どうしたらいいですか」
俺は先輩のことは伏せた状態で相談してみた。
好きなのに相手の気持ちが分からない、距離が離れる不安など胸の内を話していると何だか心が軽くなっていく気がする。
「…俺、お前に告白したじゃん。気まずいとか思わないのか?」
「……気まずいですよ。だからこそ、先輩のこと全部解決させて先に進みたいんです」
「真陽…」
きぃやん先生はそのまま僕に近づくとポンポンと頭を撫でる。
「よし、連絡取ってみろ。案外、上手く行くと思うぞ」
そしてきぃやん先生の指示に従って僕は先輩にメールを送った。

混乱した様子の先輩から電話がかかる。
「もしもし」
『も、もしもし真陽?』
いつもの先輩とは思えないほどの動揺で声も裏返った先輩はそのまま何と切り出せばいいのか分からないのか黙ってしまった。
きぃやん先生がメモを手渡して来た。
"何の用ですか?"
僕はメモに書かれた言葉を言った。
『き、きぃやん先生と付き合ってるって本当?』
"うん"
「真陽」
きぃやん先生がいきなり僕の腰に手を添える。
僕は驚きつつ必死に平常を装った。
話していくうちに先輩は段々と声が小さくなっていき、最後は涙声で言った。
『大好きだったんだ。今でも大好きなんだ』
僕はその先輩に言葉を聞いて不安が飛んで行ったのを感じた。
そして全てをバラして再び先輩とヨリを戻すことにした。