七月に入ると配布物が多くなる。

まずは、大学の案内。

三年八組には大学進学を目指す生徒が少ないからか、
誰も気に留めない。

次に夏休みの宿題についての学年だより。

夏休み明けには提出しなければならない課題として課されるものだから、
みんな量の多さだけ確認してげんなりする。

(ただ、小さい文字で「成績には含まれない」と書いてあることは誰も知らない。)

そして、三者懇談会の予定表だ。

私の高校は大変面白いつくりをしているらしく、
三者懇談会で模試の成績も定期試験の結果も、
生徒が提出した進路希望調査票も…
つまり、生徒に関わる情報全てを保護者と共有する。

言い換えると、非常に時間がかかる三者懇談会の幕開けだ。

模試の結果を保護者と共有していない、
定期試験の結果を見せていない、なんてことがあれば
先生も思わず目を背けたくなる修羅場になる。

私はというと、親に成績は見せているし、
なんの問題もないと感じるから
三者懇談会で先生に相談することは特にない。

先生もそのことを理解しているのだろうか、
三者懇談会の予定表を確認すると一人十五分の枠で、
私のすぐ次の枠には別の生徒の名前が書いてある。

次の枠に誰もいなかったら
実質三十分の三者懇談が実施できるということだから、
三十分話すべき、と先生が判断した生徒は次の枠は空欄になっているはず。

そんな予定表を受け取り、帰りのHRは終了した。