ある日の放課後。
今日は、弦矢が図書当番の仕事があるので、練習がオフの紗楽と弦矢を待っていた。
あれから、1週間以上経ったが、あの男子が現れることはなかった。
「あの変なやつ、来なかったね。」
と紗楽も気にしているようだった。
「そ、そうだね。」
「、、ヒナちゃん。あれから考えたんだけど。私もさ、あの男子みたいに、思うよ。後悔したくない、なら、風奏ちゃんのところへいくべきだと思うよ。」
紗楽は諭すように、穏やかな口調で訴えた。
「でも、、。」
「あの男子がここに来た。ってことはさ、風奏ちゃんも、謝りたい、とか、もう一度、会って話したい。って思ってるのかもしれないよ。それなら絶対、私は、いくべきだと思う。」
「、、、。」
素直に頷けない妃詩。
「もし、これから、一生、会えなくなったら、どうするの?会えないまま、謝れないまま、別れたら、どうするの?」
「え?、、私、風奏に、会う資格なんてないて言ったじゃん。私は、会わないで別れた方が」
「そんなわけない!!親友だったんでしょ?親友に、一生会えないで、別れちゃうなんて、私は嫌だ!」
初めて、紗楽が、声を荒げた。
「ヒナちゃんは、、違うの?一生、風奏ちゃんに、会わないで、いいの?」
「、、い、嫌、、だよ。もちろん、、嫌だ。会いたい、会いたいよ、、。」
「じゃあ」
「でも!、、でも、また、傷つけちゃったら、、どうしたらいいの?」
大きな声から、小さな声へ、妃詩の声が移り変わった。
「大丈夫!ヒナちゃんは大丈夫だよ。」
「なんで?そんなの、わかんないじゃん、、。」
「わかるよ。」
紗楽は、真っ直ぐに妃詩に向かって言葉を発した。
「だって、ヒナちゃんは、今だって、風奏ちゃんのことを、第一に考えてる。無茶苦茶優しいじゃん!こんなに、優しい子が、人を傷つけるはずないでしょ?」
優しく、語りかけた。
「風奏を、傷つけた、事実は、ある。」
「人間なんだから、仕方ないでしょ。私だって、喧嘩くらいするよ。」
「け、喧嘩?」
思わず声が裏返る。
あの出来事は、喧嘩という簡単な言葉に変えられるのだろうか、、。と内心驚く妃詩。
「私は、ヒナちゃんの話を聞いてる限り、あの出来事は、一生の別れなんかじゃなくて、2人が親友であるために、なくてはならなかった喧嘩。だったと私は思うよ。」
「、、なんで?」
「すれ違ってたんでしょ?2人は。それを、合わせるためには、別れが、衝突が必要だった。でも、それは衝突で、終わりなんじゃなくて、もう一度、再会するまでが、、うんん。再会できるかどうかが、2人にとっての試練なんじゃないかな。」
「試練?」
掠れた声で訊く。
「そう。人生において、私は、誰にでもなにかしらの試練を与えられる、と思ってる。それもたくさん。私だったら、、、大事な人との別れを、どう、乗り越えるか、とか。他にもいっぱいあるよ。そういう、試練の一つが、その、出来事なんじゃないかなって私は、思ってるよ。」
紗楽は、明るく歯を見せてニコリとした。
「、、、。」
紗楽の、考えが、妃詩の心に突き刺さった。しばらく、妃詩は口が聞けなかった。そして、自然と、頬が濡れる感触があった。
「そっか、、。そうだよね。別れて、喧嘩して終わり、でホントに終わる必要なんてないもんね。、、そんな考え方、私にはなかったや。、、ありがとう。紗楽。」
頬に流れる水を制服の袖で拭いながら、礼を述べた。
「え!いや!えっと、、なんか、偉そうに、語っちゃって、ごめん。」
慌てたように紗楽が謝った。
「うんん。、、ホントに、ありがと。」
穏やかな笑みを浮かべ妃詩は紗楽の方を向いた。
「いや〜、相変わらずいいこと言うよな。紗楽は。」
「ゲ、ゲンくん!も、もしかして、聴いてた?」
「悪い、盗み聴きするつもりはなかった。」
素直に頭を下げた。
「けど、紗楽らしい言葉、グサっと刺さったぜ。」
と続けた。
「もう!、、まあいいや。」
諦めたように紗楽は言った。
今日は、弦矢が図書当番の仕事があるので、練習がオフの紗楽と弦矢を待っていた。
あれから、1週間以上経ったが、あの男子が現れることはなかった。
「あの変なやつ、来なかったね。」
と紗楽も気にしているようだった。
「そ、そうだね。」
「、、ヒナちゃん。あれから考えたんだけど。私もさ、あの男子みたいに、思うよ。後悔したくない、なら、風奏ちゃんのところへいくべきだと思うよ。」
紗楽は諭すように、穏やかな口調で訴えた。
「でも、、。」
「あの男子がここに来た。ってことはさ、風奏ちゃんも、謝りたい、とか、もう一度、会って話したい。って思ってるのかもしれないよ。それなら絶対、私は、いくべきだと思う。」
「、、、。」
素直に頷けない妃詩。
「もし、これから、一生、会えなくなったら、どうするの?会えないまま、謝れないまま、別れたら、どうするの?」
「え?、、私、風奏に、会う資格なんてないて言ったじゃん。私は、会わないで別れた方が」
「そんなわけない!!親友だったんでしょ?親友に、一生会えないで、別れちゃうなんて、私は嫌だ!」
初めて、紗楽が、声を荒げた。
「ヒナちゃんは、、違うの?一生、風奏ちゃんに、会わないで、いいの?」
「、、い、嫌、、だよ。もちろん、、嫌だ。会いたい、会いたいよ、、。」
「じゃあ」
「でも!、、でも、また、傷つけちゃったら、、どうしたらいいの?」
大きな声から、小さな声へ、妃詩の声が移り変わった。
「大丈夫!ヒナちゃんは大丈夫だよ。」
「なんで?そんなの、わかんないじゃん、、。」
「わかるよ。」
紗楽は、真っ直ぐに妃詩に向かって言葉を発した。
「だって、ヒナちゃんは、今だって、風奏ちゃんのことを、第一に考えてる。無茶苦茶優しいじゃん!こんなに、優しい子が、人を傷つけるはずないでしょ?」
優しく、語りかけた。
「風奏を、傷つけた、事実は、ある。」
「人間なんだから、仕方ないでしょ。私だって、喧嘩くらいするよ。」
「け、喧嘩?」
思わず声が裏返る。
あの出来事は、喧嘩という簡単な言葉に変えられるのだろうか、、。と内心驚く妃詩。
「私は、ヒナちゃんの話を聞いてる限り、あの出来事は、一生の別れなんかじゃなくて、2人が親友であるために、なくてはならなかった喧嘩。だったと私は思うよ。」
「、、なんで?」
「すれ違ってたんでしょ?2人は。それを、合わせるためには、別れが、衝突が必要だった。でも、それは衝突で、終わりなんじゃなくて、もう一度、再会するまでが、、うんん。再会できるかどうかが、2人にとっての試練なんじゃないかな。」
「試練?」
掠れた声で訊く。
「そう。人生において、私は、誰にでもなにかしらの試練を与えられる、と思ってる。それもたくさん。私だったら、、、大事な人との別れを、どう、乗り越えるか、とか。他にもいっぱいあるよ。そういう、試練の一つが、その、出来事なんじゃないかなって私は、思ってるよ。」
紗楽は、明るく歯を見せてニコリとした。
「、、、。」
紗楽の、考えが、妃詩の心に突き刺さった。しばらく、妃詩は口が聞けなかった。そして、自然と、頬が濡れる感触があった。
「そっか、、。そうだよね。別れて、喧嘩して終わり、でホントに終わる必要なんてないもんね。、、そんな考え方、私にはなかったや。、、ありがとう。紗楽。」
頬に流れる水を制服の袖で拭いながら、礼を述べた。
「え!いや!えっと、、なんか、偉そうに、語っちゃって、ごめん。」
慌てたように紗楽が謝った。
「うんん。、、ホントに、ありがと。」
穏やかな笑みを浮かべ妃詩は紗楽の方を向いた。
「いや〜、相変わらずいいこと言うよな。紗楽は。」
「ゲ、ゲンくん!も、もしかして、聴いてた?」
「悪い、盗み聴きするつもりはなかった。」
素直に頭を下げた。
「けど、紗楽らしい言葉、グサっと刺さったぜ。」
と続けた。
「もう!、、まあいいや。」
諦めたように紗楽は言った。