「父さんの好きにしたら良いよ」



高校生になれば逃げるように家に居なければ良いと思っていたから投げやりにそう言ったのに、まさか俺まで父さんと同じようになるとは。


席替えをして前の席になった秋山くん。




「よろしく」




言葉はそれだけだったけど、俺に話しかけて来た時のジッと俺の目を射抜くような三白眼、でも正反対に表情は柔らかくて、秋山くんの隠された魅力に気づいてしまった。




格好良いとか可愛いとかそういう次元の話じゃなくて、性格とか性別の話でもない。


秋山くんから醸し出される、オーラみたいなものに惹かれた。