「桃倉さん? どうしてこんなところにいるの? まだ授業の時間でしょ?」

 学校に戻ってすぐ、探していた声がきこえた。

 わたしは涙を必死に堪え、振り返った。

 きっと、この人に話さないといけない気がしたから。

 だから、真っ直ぐに志木(しき)先生を見つめた。