「こら、桃倉、廊下を走らない!」
「せ、先生、白ちゃんのこと、知ってますか?」
担任の原田先生の怒鳴れてもそんなこと気にもせず、わたしは無我夢中でそのまま先生にしがみついていた。
頭に激痛が走った。
その後の先生の言葉はよく覚えていない。
二度くらい、バカなことを言ってないでそろそろ本気で進路のことを考えろと言われたような気がする。……どうでもいい。
気づいたら校舎へと飛び出していた。
「は、白ちゃん……白ちゃん……」
川沿いの道にたどり着いたわたしは、ゼエゼエと肩で息をしながら必死に辺りを見渡す。
汗を含んだ制服がぴったり体にくっついて気持ちが悪い。
「白ちゃん、どこ……」
ここは、いつも白ちゃんがスケッチを続けていた場所だ。
今はそこに、だれの姿もない。
「ど、どうして……」
なにもかもが信じられなくなってしゃがみ込む。
『秋月白夜?何組の生徒だ?』
先生も、やっぱりそう言った。
『だれも休んでないわよ。そもそも、白ちゃんなんて人、うちのクラスにいないけど?』
昨日まで、気づかうようにおずおずと白ちゃんが休んでいる話をしてくれていた夢までそう言い放った。
頭がおかしくなりそうだった。
先週、白ちゃんに告白したらしい、夢のクラスの友香ちゃんに聞いても、はじめはびっくりしたように大きな目を見開いたけど、やっぱり知らないと言われた。
あんなに好きだ好きだって、わたし以上に騒いでたくせに。
「ど、どうして……」
白ちゃんの存在が、誰にも信じられないなんて。まるで存在してなかったように。
頭を抱えたら泣けてきた。
「どうして……」
なんだかんだでわたしが困っていたら彼は必ず声をかけてくれる。
だけど、今日はそれも叶いそうになかった。
「せ、先生、白ちゃんのこと、知ってますか?」
担任の原田先生の怒鳴れてもそんなこと気にもせず、わたしは無我夢中でそのまま先生にしがみついていた。
頭に激痛が走った。
その後の先生の言葉はよく覚えていない。
二度くらい、バカなことを言ってないでそろそろ本気で進路のことを考えろと言われたような気がする。……どうでもいい。
気づいたら校舎へと飛び出していた。
「は、白ちゃん……白ちゃん……」
川沿いの道にたどり着いたわたしは、ゼエゼエと肩で息をしながら必死に辺りを見渡す。
汗を含んだ制服がぴったり体にくっついて気持ちが悪い。
「白ちゃん、どこ……」
ここは、いつも白ちゃんがスケッチを続けていた場所だ。
今はそこに、だれの姿もない。
「ど、どうして……」
なにもかもが信じられなくなってしゃがみ込む。
『秋月白夜?何組の生徒だ?』
先生も、やっぱりそう言った。
『だれも休んでないわよ。そもそも、白ちゃんなんて人、うちのクラスにいないけど?』
昨日まで、気づかうようにおずおずと白ちゃんが休んでいる話をしてくれていた夢までそう言い放った。
頭がおかしくなりそうだった。
先週、白ちゃんに告白したらしい、夢のクラスの友香ちゃんに聞いても、はじめはびっくりしたように大きな目を見開いたけど、やっぱり知らないと言われた。
あんなに好きだ好きだって、わたし以上に騒いでたくせに。
「ど、どうして……」
白ちゃんの存在が、誰にも信じられないなんて。まるで存在してなかったように。
頭を抱えたら泣けてきた。
「どうして……」
なんだかんだでわたしが困っていたら彼は必ず声をかけてくれる。
だけど、今日はそれも叶いそうになかった。