桜木はオレンジジュースを飲む。そんな桜木の服を袖を私は掴む。
「真琴? どうした?」
「私……桜木のことが……」
口を開くと、桜木は「……言うな。何も言うな」と私の言葉を遮ってくる。
「桜木のことが……好きなの」
桜木は私に「……言うなって、言ったろ」と切なげな声を出した。
「桜木のこと、好きなの。 大好きなの。……ずっと一緒にいたい」
その気持ちは、自分でも分からないくらい抑えられないくらいになっていた。
なぜか、泣きそうになってしまう。
「桜木から好きって言われて、本当は嬉しかったの」
「俺だって、お前のこと……」
そう言いかけて、桜木は言うのをやめた。 それはまるで、躊躇っているみたいだった。
「私のこと、好きだって言ってくれたのは……ウソだったの?」
どうしても聞きたかった。桜木の口から、本当の気持ちを……。
「……ウソじゃない」
「私……桜木のそばにいたいの」
これは私の本心なんだ。 本当に桜木と一緒にいたいから。
「……気持ちは嬉しい。 でも、お前を傷つけたくない」
「どうして……?」
どうして、そんな悲しい顔をするの……?
「俺はお前のことを守りたい。 でも俺は人間じゃない。お前を守るなんて言ったけど、俺はヴァンパイアだ。……アイツみたいに、いつかお前を殺すかもしれない」
「もし、殺されるなら……殺される運命なら、私は桜木に殺されることを選ぶ」
そう言って、桜木の頬に触れる。その頬を撫でると人間のような暖かさと、温もりがある。



