「……そんな」
桜木は私の隣に座ると「これは俺の推測だが……恐らくアイツが言っだあの方゙っていうのが裏で糸を引いてるってことだろう」と話してくれた。
「あの方……?」
「……つまり、本当の黒幕だ」
「黒幕……?」
じゃあ……吸血鬼が現れて人間を襲うように指示してるもの、その黒幕ってこと……?
「じゃあ……仁君は利用されたってこと……?」
「……そういうことだろうな。 萌恵の彼氏だけじゃない。他の人間も何人か吸血鬼にされてるし、吸血鬼に魂を吸われたから吸血鬼になったと考えるのが、自然だ」
「そんな……」
まさに 信じられない現実だ。
なんでよりにもよって、仁君なんだろうか。 一体なぜ……?
「……多分、萌恵が言ってたあれが原因だと思う」
察したかのように桜木が、言う。
「あれ……?」
「萌恵が言ってたろ。アイツが吸血鬼を見たって言ってたって」
「……っ!!」
まさか……。まさかそれで、仁君は吸血鬼にされたってこと……?
信じられない。 そんなのが現実だと思えない。
「多分その時、ヤツは黒幕の顔を見たんだ。だからアイツを消すために、吸血鬼にしたんだろう。……俺はそう思ってる」
「そんな……。そんなの、残酷すぎる。 ひどいよ……」
「……真琴、泣くな」
「どうなってんの……。この世界は、どうなってるのよ……」
私は涙が止まらなかった。 萌恵になんて言えばいいのかわからない。
悔しくて腹が立って、思わず自分の拳を握りしめた。



