「……っ!」

 えっ! な、なにっ……!?

 なんでこっちに来るのよ……!

「えっと……なに?」

 また桜木と目が合ってしまい、思わず桜木から目を反らしてしまう。

「お前、なんか変じゃねぇか?」

「えっ……そ、そんなことないよ。 き、気のせいだから!」

 うわぁ……。あからさまにわかりやすい態度だ。
 こんなんじゃすぐバレる……。

「……なんで目、逸らすんだよ」

「えっ。……あ、いや、そんなことないけど……」

 図星を言い当てられてしまい、モゴモゴしてしまう。

「お前、俺と目が合うと逸らしてるだろ」

「……だ、だからなに?」

 ああもう、話しかけないでよ……。どっか行ってって……。

「もしかして、俺のこと避けてる?」

「えっ!?」

 桜木ってば、感が鋭い……。

「……別に避けてなんてないけど」

 桜木は私の顔を覗き込み「本当か?」と問いかけてくる。

「ほ、本当だしっ……!」

 やめて!そんなに見られると、恥ずかしいからっ……!

「……ならいいけど」

 と、桜木は教室を出ていってしまった。

「真琴ー、あんな態度取ったら桜木くん可哀想だよ」

 萌恵からそう言われ「えっ!?」と萌恵を見る。

「もしかして、桜木くんのこと意識してるの?」

「ち、違うっ!……本当に、違うから!」

 萌恵は「素直じゃないね、真琴は」と言われてしまったけど、意識してると言えばそうなのかもしれない。
 桜木のあの目を見ると、急にドキッとして目を見れなくなる。